鹿島美術研究 年報第17号別冊(2000)
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よって確認できるという点でこの月報は非常に貴重な資料である。今回この記録を活用し,データの空白を一部埋めることができた。次に,データベースの各項目について説明する。データベースには,次のような項目を設定している。①通し番号②撮影番号③所蔵先と所蔵香号④タイトル①画者⑥画者読み⑦画者住所③サイン③石画者⑬石画者読み⑪印刷人⑫印刷人読み⑬印刷人住所@発行人⑬発行人読み⑬発行人住所⑫売捌所⑬シリーズ番号⑬届出/印刷日@発行日⑫技法⑫内寸③備考⑫関連資料@画題@ジャンルである。①通し番号とはこのコレクションに限らず,今後入力する作品すべてに振られる番号である。つまり現在所在が明らかな石版画作品の総数を表すことになる。②撮影番号は,整理上の都合で写真にふられた便宜上の番号で,データと写真の照合に用いる。③所蔵先と所蔵番号は,所蔵箇所の名称と,所蔵先での整理番号を記載する。次に④から@であるが,これは作品の余白部分に記載されているデータをそれぞれ入力している。このうち,画者,石画者,印刷人,発行人については名前の読みのフィールドも設け,漢字表記に異動があっても検索が可能なようにした。③サインは,作品中にサインが認められる場合に記載する。⑬シリーズ番号は,それぞれの発行元で振られた作品番号がある場合に用いる。作品以外の資料から得られた情報や仮タイトルなどは,いずれも〔〕を用いて表記した。なおこのデータベースでは,氏名や屋号,住所は記載がある限りすべてのデータを採取するようにしている。これは作品の制作年代が不明でも,発行者や印刷人の組み合わせ,あるいは住所の表記やその変遷を手がかりとして制作年代を特定することが可能だからである。そして@備考には,具体的なモチーフの特徴などを入力し,キーワードでの検索を可能にしている。⑫関連資料は,今回は前述した『出版書目月報Jを参照し,そこに記載がある場合に該当箇所を記入した。最後に⑧画題⑫ジャンルでは,石版画作品の分類を行った。まず次のようなジャンルを設定し,作品を分類した。それは,①美人②風景③歴史故事(歴史や稗史に主題をとったもの)④貴顕(皇室関係者の肖像や風俗画)⑤美人子供(子供と美人が一緒に描かれるもの)⑤子供⑦風俗③時事(同時代性やニュース性の強い画題)⑨肖像(特定の個人の肖像画)⑬役者⑪動物⑫その他である。そしてこれらのジャンルの下に「画題」という項目を設け,モチーフに沿ってより具体的な分類を行った。例えば「美人」-461-

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