鹿島美術研究 年報第17号別冊(2000)
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注(2) (1)参照(4) 吉田小五郎「明治の石版画小史J『明治の石版画展』カタログ(日本経済新聞社,(1) 明治美術学会例会(1991.9 . 21)における口頭発表の際に資料として配布。(3) 明治文献資料刊行会編『明治前期書目集成第一分冊(書目月報)』(明治文献,ソーネの御真影を結ぶ位置に存在しているわけだが,これについては稿を改めて発表する予定である。ともあれ,画題から検索することにより,これら貴顕肖像画が第一期の石版画流行の牽引役となったであろうことが判明した。なお,石版人気の最大のピークである明治21,22年の作品傾向であるが,明治16年(1883)から20年の出版傾向を知るデータがないため正確な変化をたどることができない。しかし,今後明治21年以後『官報』に掲載された出版届出記録などの資料を参照し,また他のコレクションの作品分析を行うことで,この時期の石版画の人気と社会事象との関連が明らかにできると思われる。このように,現存作品が莫大な数になる石版画の研究にデータベースを導入し,検索やソート機能を活用することで,主題の変遷を知るだけでなく,作風からの画者の特定ゃあるいは画像ソースの特定など,さまざまな発見が期待できる。稿者は今後もこの作業を継続しつつ,上記のような個別のテーマからの作品分析に取り組んでいくつもりである。[付記]この度の調査に際し,菰池佐千夫氏をはじめ黒船館,神戸市立博物館,川崎市市民ミュージアムの各機関の方々より格別のご、高配を賜った。また町田市立国際版画美術館の河野実氏をはじめとする石版画研究会の方々には懇切なご指導ご助言を賜った。記して感謝申し上げます。1971年)および明治文献資料刊行会編『明治前期書目集成第二分冊(書目月報)』(明治文献,1972年)1959年)小野忠重『明治の石版画』(美術出版社,1967年,p.114) 金原宏行「明治の石版画と初期洋画家たちJ『明治初期石版画展Jカタログ(町田464

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