鹿島美術研究 年報第17号別冊(2000)
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(8) いずれもこの図像の基本的なモチーフと考えてよい。たとえば4世紀末に制作さ(9) C. K.Ca汀,Aspectsof the Iconography of Sa叫んterin Medieval Art of Western (11)名取氏は比較的早期の石棺の作例を,大きく三つのグループに分けている。「城門れた殉教聖人がローマとゆかりの深いこと,またサンタ・マリア・イン・トラステーヴェレ聖堂のモザイクやサン・クレメンテ聖堂の壁画などとの聞に様式上の共通点があることを示唆している。A.Grabar/C. Nordenfalk, 1958, pp. 103 110. (7) 「トラデイティオ・レーギスJに関する基本文献は,名取四郎氏の論文に端的にまとめられている。名取四郎,「コンスタンテイナ廟堂の北側小アプシスのモザイク『トラデイティオ・レギス(法の授与)図』をめぐって」,別府大学紀要,第十八号,1977年,10〜39頁。それ以外で参照した文献は以下のとおりである。C.Ihm,Die Programe der christlichen Apsimalerei vom vierten Jahrhundert bis zur Mitte des achten Jahrhunderts, Wiesbaden, 1960 ; G. Schiller, Ikonographic der christlichen Kunst 3 : Die Au erstehung und Erhohung Christi, Giltersloh, M. L. Therel, Les symbols de !'ECCLES/A dans la creation iconographique de !'art chretien du troisieme αu sixieme siecle, Rome, 1973 ; J. Wilpert/、W.N. Schumach巴r,Die romischen Mo-saiken der kirchlichen Bauten vom N. bis Xm. Jahrhundert, Freiburg, 1976 ; R. W. Sullivan,“Saints Peter and Paul : Some ironic aspects of their imaging,”in : Art History 17, 1994, pp. 59-80. れたヴァチカン図書館所蔵の黄金彩画ガラス杯の底部をみるとよくわかる。場面は二重構成になっており,上段の三分のーにはキリスト,ベテロ,パウロの3人物,丘,椋欄が,下段の三分のこにはエルサレムとベツレヘムを暗示する建築モチーフ,そこから出てくる羊があらわされている。辻佐保子編集,『世界美術大全集,西洋編,第7巻,西欧初期中世の美術J,小学館,1997年,図64。Europe to the early thirteenth centuη,(Ph.D. diss., Case W巴sternReserve), 1978, pp. 73f. 同「わたしは,自分の三人の証人に粗布をまとわせ,千二百六十日の間,預言させよう。」『ヨハネの黙示録』第十一章三節。「彼らには,預言をしている間ずっと雨が降らないように天を閉じる力がある。また,水を血に変える力があって,望みのままに何度でも,あらゆる災いを地に及ぼすことができる。J『ヨハネの黙示録』第十一章六節。514

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