fico)に展開されたく死mort巴〉に対するく復活resu町ezione(あるいは永遠infinita)>でらざる遠近法空間spazioprospettico anormale (アナモルフォーズ空間spazioanamor-もあるとみなすのが妥当ではないかと考えている。6.アナモルフォーズ衰退の原因の一試考:デカルトとアナモルフォーズ(注12)こうしたアナモルフォーズの芸術は,一時の流行にもかかわらず,しかし急速な衰退を迎えた。失われたものの,失われつつある状況を後世から再構築するすることは困難なことであるには違いないが,しかしこの理由を考えることは,アナモルフォーズの本質を捉えるのみならず,芸術思潮と人間の思想の歴史との関係を見る上でも大いに有効なものとなると思われる。しかし当時の思潮をすべて追うことは不可能なので,この衰退が始まる時代の思潮を代表する人物として,やはりルネ・デカルトただ一人を挙げて,彼の思想とこの芸術との関係を考えることが最も妥当と思われる。デカルトは周知のように,ニスロンやキルヒャーらと同時代人であり,国際学術界における彼の秘書としても機能していた友人メルセンヌ神父を介して,彼らアナモルフォーズの使い手たちとも交流があった。このため,バルトルシャテイスをはじめ,ローディス=ルイス,カッサネツリ,ケンフ,ストイキタ,トルーチらによって,デカルトにおけるアナモルフォーズの定義はすでに考察されてきた(注13)。簡単に言えば,それはく新しい科学〉に対するく旧時代的な魔術〉としてのアナモルフォーズというネガティヴな捉え方であった。しか.し,蜜ロウ実験を中心として(注14),複雑なく二枚舌〉たるデカルトの思考を再度整理して見れば,物質の変換後も本質は不変で、均一,という考察こそが彼のアナモルフォーズ観として相応しいことが明らかとなる。これはアナモルフォーズの否定でも肯定でもなく,実はく変換する本質〉のシステムの単なる一例としての捉え方に過ぎない。しかし,その主たる目的を〈驚かせること〉に置いたアナモルフォーズというシステムが,科学の発展とともに次第に驚きを失い,同時に宗教上の機能までも失っていけば,徐々にその役割を終えていくであろうこともまた明らかである(加えてデカルトはく驚き〉の情動自体もネガテイヴに捉えている)。こうして,アナモルフォーズはその純粋魔術としての役割を急速に失っていったのである(注15)。-563-
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