鹿島美術研究 年報第17号別冊(2000)
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。3)Upright, Morris Louis, 208. 制~Upright, Morris Louis, 43-44. York: Solomon R. Guggenheim Museum, 1963) : Plate 10. 凶DianeUpright, Morris Louis : The Complete Pαintings (N巴wYork : Abrams, 1985) : 87. (22) Upright, Morris Louis, 150. (25) Eld巴rfield,Morris Louis, 35. 同尾崎氏はレゾネの図版一覧がルイスの視覚的イメージを画一化した点を批判している。尾崎「重力J,11頁伺54年の〈アイリス〉(作品番号62)'<サリアント〉(作品番号63)〔図1〕,〈ベンデユラム〉(作品番号64)'<アトミック・クレスト〉(作品番号57)'59年の〈サラバンド〉(作品番号188)〔図3〕,〈ヴェルデイツキオ〉(作品番号200)〔図4〕,〈イタリアン・ヴェール〉(エルダーフィールドは〈イタリアン・ブロンズ〉と表記)(作品番号191)の7点。この論文ではいずれもエルダーフィールドの図版の置き方に倣った。(28) 同様の問題はストライプ・シリーズにも指摘できる。同シリーズでは,一般に,色彩の続はカンヴァスの一方の端には届き,他方の端には届かない。同シリーズが初めて展示された61年のエメリッチ画廊での個展ではカンヴァスの下部に余白ができ,滴りが流れ落ちる向きに掛けられた〔図6〕。そうすると掛ける方向が制作時に絵の具が流れた方向と一致するとグリーンパーグもエメリッチも考えたからである。しかし後年,彼らは反対が良いと考えを改めた。なぜなら,描いた方向は実は逆だったからである。滴りは作品管理時に生じたのだ。現在はこれが一般的な掛け方だ。このエピソードは,①グリーンパーグが作品体験を重力作用と結びつけた点,②グリーンパーグの意見の修正が視覚性への関心の登場と見なせる点,③反視覚的特性もまた主観的に構成され,作品に対して抑圧的に働くことがある点の3点を示していて興味深い。同MorrisLouis and Morris Louis Estate papers (reels 4988 4994)及びClementGreen-berg p叩ers(公開部分はreelsN69-91R, N70-7R and N737R), Archives of Ameri-can Art, Smithsonian Institution, Washington, D. C.後者の約7割は一般公開されておらず,調査できなかった。同部分にはグリーンパーグ、が受け取ったルイス-55 -

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