鹿島美術研究 年報第18号別冊(2001)
213/716

Larnpung)を訪ねる。Gedungmeneng, Bandar Lamupung 阻lerustika)氏,オキ・ラクシト(OkiLaksito)氏,エステル・シヌラヤ(EstherSin-uraya)氏の3人である。ズライダ氏は,実家がランプンの名家であるとのこと。オキ(Inv. No.2157: KA悶BIDAK/BECUKIL)(Inv. No. : BIDAK BECUKIL) ただし,サマン氏が「自分もボンパを所有しているjといって見せてくれたものは,フォーマルな場で着用するものではあったが,今出来の格子柄に色糸の紋織の入った筒状腰衣であり,写真で見せたものとは,形態,特徴共に異なる。サマン氏が,これらの布を「ボンパjであるという時には「これらの布は男性用の(フォーマルな)腰布であるjというほどの意味ではないかと思われる。以上のように,パスマではピダという言葉は使用されていない。通説として「パスマのピダjといわれている布に関して,かつてパスマにあった(制作されていた)ということはいうことはできても,それがピダと呼ばれていたとはいえない,ということが判明した。ランプンでの調査は2001年2月28日に行った。ランプンでは州の中心であるパンダル・ランプン(BandarLarnpung)の,ランプン州立博物館(MuseumNegeri Propinsi 住所:J1. H. Zainal Abidin Pagar Alarn No. 64 対応してくれた職員は,いずれも30~40歳代で,ズライダ・ケルスティカ(Zuraida氏はパレンパン,エステル氏はパタックの出身とのことであった。ランプンの博物館では,ピダという言葉が使われているかどうかを確認するために,最初にピダを所蔵しているかどうかを聞いた。それに対して13点所蔵している」との返答が即座にあった。早速その3点を見せてもらう。以下の名称は,添付の札からの転記。所蔵番号2157:カイン・ピダ/ブチュキル〔図11)所蔵香号不明:ピダブチュキル〔図12)所蔵品番号2251:ピダブンクック〔図13)4 ランプンでの調査(Inv. No.2157:臥INBIDAK/Bungkuk) -203-* 1ブチュキlレjは「小さなステッチ」という意味。

元のページ  ../index.html#213

このブックを見る