鹿島美術研究 年報第18号別冊(2001)
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11 九条兼孝t;;(臥院)一一実子関係--_-養子関係狩野山楽老松図扉風驚鳥図扉風車争図扉風(東京国立博物館)山水図襖絵(長浜大通寺)狩野山雪三十三観音図(東福寺)蘭亭曲水図扉風(随心院)達磨・龍・虎図(長浜大通寺)耕作図襖ほか(長浜大通寺)蘭亭曲水図小下絵(東本願寺)布袋図狩野永納築厳僧正像(随心院)舞楽園巻(東京都立中央図書館)新三十六歌仙図(東京国立博物館)条家から二条家に養子入りしているので,永敬と二条家との関係も,九条家から派生したものと考えられるからである。つまり,九条家と深い関係をもっ京狩野家の当主であったことが永敬の仕事の範囲に深く関わっていたことになる。この点を先ず確認しておきたい。次に,永敬の作品に則し,具体的に考えてみよう。永敬の作品を見た場合,当然ながら山楽から永納までの京狩野の作品との関係で説明できる部分が多い。ただ,それだけでは理解できない部分もある。例えば秋草図扉風〔図1)は,六曲一双の扉風だが,右隻は金箔と金泥,左隻は切箔と金砂子で金地が作られる。左右の隻で金地処理女道房一一一一一一一一一兼晴実一-----------------L康道築巌(随心院)光従(東本願寺)表1光平一一一一一一一ーとェ綱平光常(西本願寺)一一一七二光澄九条家伝来西本願寺伝来九条幸家の婚儀の際に描かれる九条幸家の娘は東本願寺光従の室九条幸家の命で制作九条幸家の弟は随,~、院門跡九条幸家の娘は東本願寺光従の室九条家伝来後厳僧正は九条幸家の実子二条光平が詞書九条幸家が詞書輔実-13-表2

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