鹿島美術研究 年報第18号別冊(2001)
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同カントーロヴイチ,前掲書,223頁(9) エルンスト・H・カントーロヴイチ,r王の二つの身体:中世政治神学研究J,小林(8) バルトロメオ・ボナットからパルパラへの1461年5月29日付の手紙(ASMAG,busta 841, c.85)より。まだ実現されていない時期に仮定法で言及されているoWoods -Marsden, 1., ibid., p. 52. Signorini, R.,“Appendice : l' elevazione di Francesco Gonzaga al cardinalato", Mitteilungen des Kunsthistorischen Institutes in Florenz, 1974, 18, p.247. 公訳,平凡社,1994 (1992)年,201 ~274頁(Kantorowicz,E. H., The King's Two Bodies: A Study in Mediaeval Political Theology, Princeton U. P. : New Jers巴y,1957). 同カントーロヴイチ,前掲書,207頁川カントーロヴィチ,前掲書,203頁。1302年ボニファチウス8世は教令「ウナム・サンクタム」において教会の国体理論を以下のように教義化した。「信仰により促され,余は普遍的にして使徒的なる唯一の聖なる教会を信ずるべく義務づけられている。…この教会の外では救済も罪の赦しもありえない…,そしてこの教会はキリストを頭(かしら)とする一つの神秘体を表しており,キリストの頭は神であるj。同カントーロヴイチ,前掲書,221 ~222頁;Lucas de Penna, Commentaria in Tres Li-bros Codicis, Lyon, 1597, (and other editions) . 仰)カントーロヴィチ,前掲書,222頁。ところで人文主義者エネア・シルヴィオ・ピッコローミニすなわち教皇ピウス2世は,1446年フリードリヒ3世に『ローマ帝国の起源と権威について』という論文を献呈した。その中で彼は,君主は「公的な利益のためにj市民の生命でさえ要求することが出来る,とし,rなぜ、ならば,国家の神秘体の頭たる君主も,公共の安全がそれを要求するときには,自らの生命を捧げるように義務づけられているからである」との見解を示している。ここにおいて我々は,マントヴァ宮廷に大変身近な博学者かっ教皇さえもが,1キリストを頭とする教会の神秘体jを「君主を頭とする国家(レスプブリカ)Jに置き換えることをためらっていないことを知ることが出来る。(12)(1功で挙げたようなルカス・デ・ペナの見解は,確かにビウス2世の中にも生きている。カントーロヴイチ,前掲書,262~263頁を参照。-289

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