鹿島美術研究 年報第18号別冊(2001)
453/716

(1)-2 )。(2) 熱帯鳥図〔図1-(2)) (3) 三酸図〔図1-(3)) (4)虎図〔図1-(4)) (5) 牡丹に蝶図〔図1-(5)) (6)鳳風図〔図1-(6)) (7)秩鶏図〔図1-(7)) (8) 竹に雀図〔図1-(8)) (9)獅子図〔図1-(9)) 書J,I久隅J(朱文長方印)(図1-(9)-2 )。水辺の土披の上に空中を見上げる熱帯鳥を二羽描き空中にはその二羽を目がけて舞い降りようとするー羽を描く。熱帯鳥は瞬と足が赤く,羽毛は没骨を用い,自の濃淡のみで表されている。落款印章は「守景書J,I久隅J(朱文長方印)(図1-(2)-2)。釈迦,孔子,老子の三聖が蓋の桃花酸を祇めて顔をしかめ,釈迦は聾の側を離れている。釈迦が薄赤,老子は淡墨に塗られ,三聖は衣服の色が塗り分けられている。落款印章は「守景書J,I久隅J(朱文長方印)(図1-(3)-2 )。水辺で水を飲む虎を描く。虎の身体は輪郭を強く表さず,水気の多い墨と太い筆で柔らかく表現される。落款印章は「守景書J,I久隅J(朱文長方印)(図1-(4)-2 )。白牡丹と,その周りを舞う揚羽など5頭の蝶を描く。牡丹は微妙なグラデーションを多用して大変写実的に描かれている。落款印章は「守景書J,I久隅J(朱丈長方印)〔図1-(5)ー2)。古木の枝に一本足で羽を休めて留まり,首をひねって右方を見る鳳風を描く。鳳風は細く柔らかい塁線と穏やかな色使いで表されている。落款印章は「守景書J,I久隅」(朱文長方印)(図1-(6)-2)。秋草のかたわら,餌を求めるー羽の秩鶏を描く。落款印章は「守景書J,I久隅J(朱文長方印)(図1-(7)-2)。餌を奪い合うのか,地面で団子になって群騒ぐ雀と,それを細竹に留まって見下ろす雀を描く。落款印章は「守景書J,I久隅J(朱文長方印)(図1-(8)-2 )。後ろ足二本で立ち振り返りながら赤い気を吐く獅子を描く。獅子は肥痩のある粘り気のある線で輪郭が取られ,白色と明瞭な墨線で表されている。落款印章は「守景-443-

元のページ  ../index.html#453

このブックを見る