鹿島美術研究 年報第18号別冊(2001)
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報告し,その意味について若干の考察を加えてみたい。この展覧会は,1人間,自然,技術,新しい世界への幕開け」をメインテーマとして2000年の6月1日から10月31日まで開催されたハノーパ一国際万国博覧会の開催に合せて実施され,この万国博覧会のテーマと関連し,1都市において,人間と自然と技術のバランスはどのように取られるのかJをテーマにしている。作品の形態としては野外を会場とするランドアート,オウデイオ・ヴィジュアル機器を使ったメディア・アート,それにパフォーマンスなどである。主催は,ハノーパー市文化局,ファウスト文化センター(KulturzentrumFAUST) ,ハノーパー市営林局の三者であるが,実際の運営はハノーパー市文化局と第三セクターのファウスト文化センターが主体になっている。出品者はハノーパー市及びハノーパー市の6つの姉妹都市から推薦された候補者の中から,ハノーパー市文化局とファウストのスタッフが写真・エスキース・書類等で選考し決定された。予備審査と最終審査の2回の審査の後,19人にしぼられたが,各姉妹都市から必ず出品者を出すように配慮された。内訳は,アフリカのマラウイのプランタイア(Blantyre)から,アーロン・フィリポ・パンダ(AaronFilipo Banda) ,シドニー・ライソン・ルンドゥ(SydneyLyson Lundu) の2人,イギリスのブリストル(Bristol)からブルース・アラン(BruceAllan) ,アニー・ラブジョイ(AnnieLav巴joy),サンデイー・マクレア(SandieMacrae) ,アンシア・ニコルセン(An出eaNicholsen)の4人,日本の広島市から船田奇卑,原伸裕三の2人,フランスのベルピニャン(Perpign阻)からゾフィー・ルーベ(SophieRoube)のl人,ポーランドのポツナニ(Poznan)からマルチン・ベルデイチャク(恥1arcinBerdyczak) , イザ、ベラ・グストフスカ(IzabellaGustowska) , トーメク・ヴエントラント(TomekWendland)の3人,国内のライプツイヒからダニエラ・フッセル(DanielaHussel)の1人,ハノーパーからナタリー・デゼケ(NatalieDeseke) ,フリヌア・ハルソン(HlynurHallsson) ,ベルベル・カスベレク(Ba巴rbelKasper巴k),ミヒヤエル・シュテファン(Mi-chael Stephan) ,クワン・ホ・ユー=ツヴイングマン(KwanHo Yuh-Zwingmann),ミヒヤエル・ツヴイングマン(MichaelZwingmann)の6人である。会場は①ファウスト文化センターの展示室,②ハノーパー市中心部の繁華街の路上,③ハノーパー市森林公園の野外の三カ所である。この小論の標題には「野外彫刻623

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