メリカにおける日本美術コレクションの君主明〉という演題で話された。16~18世紀に期③ 関東水墨画の研究(講演『アメリカにおける日本美術コレクションの繁明j)招致研究者:メトロポリタン美術館東洋部日本美術担当主任学芸員報告者:慶慮義塾大学文学部教授河合正朝間:2000年11月28日~12月12日(14日間)平成12年11月28日から12月12日までの約2週間,ニューヨーク市・メトロポリタン美術館東洋部の日本美術担当のキュレーターであるパーパラ.B'フォード女史を招致し,専門研究者との研究集会や大学院学生対象のセミナーに参加,および講演会を行なった。フォード女史は,日本においてもすでに米国における日本美術史研究に実績のある研究者として知られており,過去に東京や京都で開催された国際シンポジウム等にも両三度の参加があるが,特に室町水墨画の研究に業績を残すことで高い評価が与えられている。この度の女史の来日では,室町時代を研究する研究者との間で最近研究的関心の高まりつつある関東水墨画に関して,意見交換を行なうことを一つの目的としてその成果を期待したのであるが,神奈川県立歴史博物館で行なわれた同館所蔵の関東水墨画の共同調査またそれに伴って行なわれた調査作品を中心とする研究討論集会は,その実を上げるに十分なものであり,室町時代後期画壇研究に存する諸問題解決のための様々な方法論的試みについての議論が戦わされ,相互の研究の進展に成果を生むものであったと考える。また,大学院学生を対象とするセミナーでは,米国における日本美術史研究の現状やその研究方法などが紹介され,参加学生にとっての大きな刺激となった。さらに,広く聴衆の範囲を広げて行なった講演会では,くアかけてのヨーロッパにおける異国趣味が,アメリカにもそのまま引き継がれたが,1876年に開催されてフィラデルフィア万国博を契機に日本趣味は,一段と盛んとなり,コレクションも次第に充実の度をましていった過程をスライドによって分かりやすく解説され,聴衆の関心を集めた。一方,女史自身の研究にとっては,今後に開催を計画している「雪村周継」展のための作品調査やそれに伴うシンポジウムの企画等の打ち合わせに収穫があったと見倣なされる。以上をもってパーパラ・B'フォード女史招致の報告とするが,上述の講演会〈アメリカにおける日本美術コレクションの繋明〉の要旨を併せ添付する。パーパラ・フォード(BarbaraBrennan Ford) 668
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