鹿島美術研究 年報第18号別冊(2001)
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(2) 海外派遣① 在伊日本美術工芸品友び在欧在日関連美術工芸品継続調査出張国:イタリア,オーストリア共和国,アメリカ合衆国II.訪問先美術館において保存修復問題の協力をする。II.訪問先美術館における保存修復問題への協力は,目的1.と併行した作業のため,期一一非公開司未調査在伊漆工芸収蔵品を中心として一一間:2001年1月10日~2001年8月10日(実質47日間)報告者:小山真由美申請時に挙げた3点の活動目的を要約すると以下のようになる。1. ["在伊日本美術工芸収蔵品概要調査J皿.昨年度の調査で新たに確認されたコレクションで,筆者の専門分野,漆工芸において,特に重要であると考えられるコレクションの追跡調査。北イタリア地域に所蔵される幕末■明治以降のコレクションより時代の遡るコレクションで,イタリア中南部地域に確認された南蛮様式の漆器類を含むコレクションである。16世紀一18世紀前半までの日本輸出漆器史上で早い時期に属すコレクションを対象とする。その活動内容を以下に報告する。1. ["在伊日本美術工芸収蔵品調査概要jは未知の不特定多数美術館への訪問調査を対象とせず,昨年度の訪問先へ未入手の写真資料,写真掲載許可などを依頼する。これらの資料や許可を得たらまとめて論文を学会に投稿する。11月末締め切の日本美術史学会誌「美術史」に投稿の予定で現在準備中である。写真資料入手及び写真公開許可を得るのには,長い時聞がかかる。美術館が公的に提供できる写真資料を有していても,所蔵品と写真番号の照合,その他事務処理が整っていない場合も多い。記録所に自身で出向き希望する所蔵品の提供写真の有無や番号確認などから,正式の依頼状,写真代支払いなど全ての手続きを完全に済ませるのには,最低5-6ヶ月聞から,場合によっては一年近く時間を要する。一方,調査者に写真撮影が許可される場合にも撮影環境を整えるのが難しいケースが多い。美術館から問い合わせなどがあった場合は適時に対応することとした。日本から修-671-

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