上含まれている。⑥ ヨーロッパ製摸倣漆による収蔵品には,日本漆器を研究,試作などして制作されたと考えられる作例がある。⑦ 幕末一明治期以後に収集されたコレクションに必ずといってよいほど見られる江戸時代の「家紋付」大名道具の作例が皆無である。幕末一明治に西洋人が日本で収集した在伊コレクションでは,例えば,ジェノヴァのキオッソーネやヴェネチアのボルボーネ皇子によるコレクション,又は,ヨーロッパの万国博覧会などで収集された例としては,イヴレア市立ガルダコレクションなどには,江戸時代以前の大名道具や富裕階級家紋付きの道具が必ず含まれている。以上から,ピッテイ宮に収蔵される日本の漆器類は江戸時代前中期のコレクションと考える。-689-
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