ジである。迂悦進氏は「例教石窟的時空観及図像附会雲間第38窟北貌彫刻布局浅議J(r漢唐之間的宗教塞術輿考古』文物出版社,2000年)において,この一対の図像上方の釈迦多宝仏がそれぞれ現在仏と過去仏で,それは生と死に関与すると述べ,乗馬と乗象を「生まれて死に入る」とする解釈を提出した。この説は図像表現の意図からかなり離れ,筆者は乗馬が世俗を離れ,乗象が『妙法蓮華経』「方便品」に出てくる「入大乗為本(8頁上)Jという表現である。象は大乗,釈迦多宝仏は大乗法の象徴であって,乗馬と乗象は大乗法に入る表現ではないかと考えられる。11
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