場期間:2002年4月13日〜22日所:慶応義塾大学・国立オリンピック記念青少年総合セシタ一報告者:慶応義塾大学文学部教授河合正朝「日本美術史に関する日米大学院生会議(現在の略称JAWS)」の第l回は昭和62年に日本(東京大学)で行われ,第2回は昭和63年に米国(ロスアンゼルス・心遠館ファンデーション)で行われた。以後,第3回は平成2年に日本(上智大学)で,第4回は平成4年に米国(コロンピア大学)で,第5回は平成8年に日本(学習院大学),第6回は平成10年に米国(プリンストン大学)でと日米交互に開催されている。この間,第1回以来,日本での開催にあたっては,鹿島美術財団から多大の援助を受けており,また第5回以降は,I白木美術史研究に関する国際大学院生会議」と日本語の名称を変え,米国のみならずヨーロッパ,アジア,オセアニアなどの大学からも参加者を募り,日本の大学院生とのより積極的な研究交流の場とするための努力を重ねた。その結果,第1固から第6固までの参加者たちのうちの大半は,日米英ほか,国の内外の教育研究機関(大学・美術館等)において,現在,少壮の研究者として活躍するなど,すでに大きな成果を上げている。今回はその第7回にあたり,慶応義塾大学を当番機関として,2002年4月13日から22日までの10日間にEって,開催された。ところで,日本美術史に関する研究は,我が国においてもまた在外にあっても,近年ますます多角的となり,その水準も高まりつつある。しかし,一方,他の研究領域のそれに比べて,研究者の層は必ずしも厚いとはいえず,大学および主要な美術館・博物館においても日本美術史を専門とする研究者ないし学芸員の数は絶対的に不足している。このような状況の中で,若い研究者に広く研修の機会を与え,その育成に努めることで,現状の改善をはかり,近き将来への布告とするのが本会議の目的である。会議には,外国の大学で日本美術史を専攻する大学院生(修士課程修了以上)を,原則として各大学から1名ずつの計10名を募り,同時に日本の大学から集められたほぼ同数の大学院生の合計約20名の参加者によって行うものとするが,本年度は外国の大学から11名(うちアメリカ9名,イギリス,カナダ各l名・この中には日本人留学③ 第7回日本美術史研究に関する国際大学院学生会議(JAWS)生3名を含む),日本の大学から13名の計24名の参加があった。参加者には「芸術における伝統と創造Jという統一テーマが与えられその課題に基づき各自の専門領域か-657-
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