0. 160)。0.16、0.23、0.41、0.68、0.85、0.88、0.103、0.104、0.134、0.136、0.138、0.140、0.146、0.151、0.152、0.160の19面のレリーフである。例えば0.138では、画面中央の3.3.一画面内における分業つ。多くの未完成部分が見られる。建物や樹木はすべて未完成であるけれども、人物には完成している部分と未完成の部分とが混在している。輪郭のみで表されている人物でも、目、鼻、口ははっきりと表されている。このことは、彫刻家が人物の顔を、他の体の部分よりも先に彫ったということを示している。もし彫刻家がレリーフの中で最も重要な部分から彫り始めたと考えるならば、彼らはすべてのモチーフの中で、人物の顔を最も重要な部分と見なしていたことになるだろう。人物の顔がはっきりと表されていない例も見られるが、それらは摩滅してしまった結果と思われる(0.130とまた注目されるのは、未完成のレリーフの中には、ある種類のモチーフのみが未完成のレリーフが多くあるということである。未完成のモチーフは、樹木、台座、屋根、建物の基礎部分、台座下の道具である。樹木のモチーフが最も頻繁に未完成であるので、これに焦点をあててみよう。樹木のモチーフが未完成で、あるのは、0.3、0.4、0.9、2本の樹木が未完成である。このレリーフは、樹木と台座下の道具という2種類のモチーフを除けば、ほとんど完成している。これらのモチーフは、輪郭椋で描かれ背景から浮き上がって彫られているが、彫刻が完成しているようには見えない。樹木の枝や葉などのより細かな部分が、さらに加えられるべきだろう。未完成レリーフのうち半分以上が、樹木のモチーフを未完成にしているという事実から、樹木のモチーフは他のモチーフより後に彫られたと結論づけることができるだろう。まとめると、彫刻家はレリーフを常に右から左へ、つまり右回りに彫ったのではなく、また常に左から右へと彫り進んだのでもなかった。彼らは、最も重要なモチーフである人物の顔から彫刻し始め、樹木のモチーフは比較的後に着手したと考えられよ「一画面のレリーフは何人の彫刻家によって彫られたのかJということは、素朴であるが重要な問題である。しかし実際には、この問題は今まで取り上げられてこなかった。これまでの研究者は、l人の彫刻家が一画面のレリーフを担当したと考えてきたようである。「隠れた基壇」の各レリーフの大きさは、200(横)×67(縦)センチであり、この大きさならば、確かにI人の彫刻家がひとつのレリーフ全体を彫刻することもできたであろう。しかし筆者は、ー画面内で彫刻工程が場所によって違っている-5-
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