A生市iの恋人たち、左右に男女の絵が描かれた面に変わり、いわゆる‘ダブル・システム’の扇になっている。〔図14〕扇フォンタンジュフランス1905年頃L/280mm W/50mm 面←チュールにシルク地のアプリケーション柄が扇面よりも短く、扇面が貝殻のようなアーチを描くタイプの扇をフォンタンジュという。19世紀末から20世紀初頭にかけて流行した。この作例のように、シークインを装飾の素材として使ったものが多い。〔図15〕扇フォールデイングイタリアおよびフランス18世紀末L/280m W /35mm 面一紙に手彩色柄と骨一象牙、ウエッジウッドいわゆるグランド・ツアーでお土産用に作られた扇。イタリアの風景や、神話を主題とした図柄が一般的で、ここでは「アローラ」を中央に配し、アンピール様式のトリミングで蝶の模様が描き込まれている。この「アローラjは、グイド・レーニの作品を典拠としている。扇面はイタリア製、柄と骨はフランス製である。〔図16〕扇フォールデイングフランス1830年頃L/240mm WI 40mm 面紙に手彩色柄と骨鑑甲扇面の主題として、旧約・新約聖書の場面を描いたものも少なくない。ここでは、十戒を手に持つモーゼが描かれている。柄と骨の篭甲には透かし彫り、金彩と銀彩の装飾がほどこされている。〔図17〕扇フォールデイングイタリア1860-70年頃L/275mm WI 40mm 面一紙に手彩色グランド・ツアーのお土産用として作られた扇。表はナポリの港の情景が描かれ、裏は古代風の建物(廃嘘)が中央に描かれている。このタイプは非常に人気があり、旅行の記念として持ち帰られた扇が、ファン・ミュージアムのコレクションには数多くみられる。〔図18〕扇フォールデイングフランス1905-10年頃L/190mm W/40mm 面ーシルク地に手彩色20世紀初頭の作例だが、1885年頃の男女の姿が描かれている。扇面はこの時代に流行したシークインの装飾がみられ、蝶番の部分がオペラグラスになっている特殊な扇である。グラス部分はネジ式で外れるようになっている。〔図19〕扇フォールデイングフランス1880年頃L/280mm W /50mm 面一紙に手彩色柄と骨一象牙柄と骨一木製柄と骨一真珠層柄と骨一真珠層
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