1938年5月28日ー31日1939年5月9日ー15日1940年4月11日ー19日11月26日ー29日1936年4月号の『美術』に「齋藤義重のシュール的な表現は面白い」(注13)と記上記の展覧会に出品された作品については、いずれも現存が確認できないが、このうち12点は、雑誌に掲載された図版、または絵葉書によってイメージが確認できた。戦前の斎藤義重の作品の意義を明らかにするために、ここでは一点一点について吟味し、斎藤義重文庫の調査から明らかになった新知見を加えつつ、検討するものとする。以下、1936年から1940年までの展覧会に出品作にそれぞれの作品について考察し、今後の問題点などを示していきたいと思う。〈第3回SPA展出品作〉されている以外、この作品についての記述はなく、残念ながら第3回SPA展への出品作品についてはイメージの確認はできていない。〈アブストラクト〉二科に初入選したこの2点が現在イメージの確認できるもっとも早い時期の作品である。福沢一郎(1898-1992)は次のように述べている。「(前略)斎藤義重氏の「出立」「アブストラクト」の中、後者が面白い。色彩の美しさと、ポールクレー風な静的、そして深い詩情を感ずる。(後略)」(注14)福沢の言葉によれば、〈アブストラクト〉〔図1〕は、そのタイトルにもかかわらず、第3回SPA出品作と同様、抽象というよりはむしろ叙情的な雰囲気を漂わせたシュルレアリスム的作品と受け取られたようである。〈出立〉〔図2〕も〈アブストラクト〉同様、切り絵を思わせる半具象的な印象の作品となっている。ところで、この頃誌面等で頻繁に使われるアブストラクトとシュルレアリスムとい絶対象派協会第1回展(日動画廊)〈カリグラフィI〉,〈カリグラフィII〉,〈カリグラフィIII〉,〈カリグラフィw〉〈作品3〉,〈作品4〉美術文化協会展(東京府美術館)〈作品I〉,〈作品II〉,〈作品III〉,〈作品w〉美術文化協会奉祝2600年秋季展(銀座三越)〈作品1〉,〈作品2〉第1回九室会(日本橋白木屋)〈作品l〉,〈作品2〉,-425 -
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