鹿島美術研究 年報第21号別冊(2004)
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記』・『李花亭抄録』•藤岡作太郎宛書簡・雑書類・写真•愛用品等を所蔵。一部を⑮ 藤岡作太郎研究•石川県立図書館(金沢市本多町3-2 -15) •金沢市立ふるさと偉人館(金沢市下本多町6番丁18-4) -『近世絵画史』と明治三十年代の日本美術史―研究者:島根県立美術館臨時職員村角紀子はじめに藤岡作太郎関連資料の現存状況藤岡作太郎(号・李花亭、東圃1870金沢生—1910東京歿)に関する一次資料は、自筆原稿から日記・旧蔵書・書簡・雑書類まで、唖然とするほど完全な状態で残されている。これは明治43年(1910)2月3日の藤岡の死後、当時まだ26歳だった脇本十九郎(号・楽之軒1883-1963)が遺稿出版のために精魂傾けて整理・保管をなしたためであり(注1)、また文京区西片町の藤岡家が関東大震災にも東京大空襲にも焼かれなかったという幸運による。平成16年(2004)3月現在、藤岡作太郎関連資料の所在は下記の通りである。・(財)石川近代文学館(石川県金沢市広坂2-2-5)新保千代子館長時代の昭和62年(1987)5月19日、藤岡知夫氏より同家所蔵の関連資料を一括寄贈される。『近世絵画史』をはじめとする自筆原稿・『李花亭日常設展示する。旧加賀藩主・前田家が遺族から購入していた藤岡作太郎旧蔵書を寄贈、明治45年(1912) 1月の開館時より「李花亭文庫」として公開する。和漢書1505点、洋書87点を収蔵。『李花亭文庫目録』(1980年3月)発行。平成5年(1993)11月の開館以来、石川近代文学館より藤岡作太郎関連資料の一部貸与を受け常設展示する。同年7月に藤岡知夫氏より新海竹太郎作「藤岡作太郎胸像」(1910年制作)を寄贈され常設展示。-470 -

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