鹿島美術研究 年報第22号別冊(2005)
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鎌倉時代の禅僧が描いたとされる伝道元筆「五山十刹図」(金沢大乗寺蔵)中の「天童山景徳寺伽藍配置図」は、王蒙に比較的近い時期のものと思われるが、やはり両池七塔が描かれている。拙著「王蒙筆「具区林屋図」試論」(『美術史』第148冊 2000)のなかでは、「芝蘭室図巻」の制作時期についての考察も行い、洪武2年(1369)頃の画で遼寧省博物館編『書画著録・絵画編』(遼寧美術出版社 1998)参照。1962年に行なわれた中央書画鑑定組の調査では、王蒙印は油印で後世に押印されたものとされ―417―「天童山景徳寺伽藍配置図」には、「萬松関」から「萬工池」までに「宿鷺亭」という名の人々も小白村まで水行していたことが記録に見える。亭をはじめとして三つの建造物が描かれている。あるとの見解を示した。ている。

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