鹿島美術研究 年報第22号別冊(2005)
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国際会議出席)“中国美術から見た中国歴史”国際学術研討会Ⅱ.「美術に関する国際交流援助」研究報告―521―1.2004年度援助期   間:2004年10月7日〜10日(4日間)場   所:韓国、嶺南大学校報 告 者:実践女子大学 非常勤講師  石 松 日奈子1.国際会議の概要報告者が出席した国際会議は、韓国中国史学会が歴史学の枠を越えて、広い分野の研究者と交流することを目的として開催したもので、韓国慶山市の嶺南大学を会場として、10月7日から10日までの4日間の日程で実施された。会議の全体テーマは「美術から見た中国史」ということで、韓国の美術史学会にも協力を要請し、韓国で中国美術を研究する学者が多数顔をそろえた。韓国人研究者の参加者数は正確に把握していないが、とくに30歳代を中心とする若手研究者の活発な報告が目をひいた。ここ数十年の間に、韓国においても外国へ留学、あるいは研修にでかける研究者が増加し、中国はもちろん、日本や欧米への進出もめざましい。このため、外国で発表されている論文や著書への関心も高く、報告者が日本や中国で発表した仏教美術史関係の論文などもほとんど熟知されていた。一方、外国からの参加者数は合計34人で、中国、台湾、日本、アメリカ、ドイツであった。研究報告は10月8日と9日の2日間で、基調講演と5つの分科会で構成された。詳細については、添付した会議日程表を参照されたい。参加者は全員が会議の1ヶ月前までに論文を提出しており、学会側が原語と韓国語の二種で論文集を作成し、参加登録時にこれら2冊と質問集(各報告を担当するコメンテーターからの質問)の合計3冊が参加者全員に配布された。会議当日は発表に25分、コメンテーターによる論評と質疑に対する回答に15分が割り当てられた。美術史関係の内容であるため、発表のほとんどがパワーポイントやスライドを併用する視覚的な方法で行われた。第2日夕方に再び全体会議を行い、部会ごとの総括担当者が報告を行った。

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