―171―b)京都カメラクラブ・京都写真連盟 メンバー作品 c)No.724−4;品作品と共に展示され、写真界の話題を集めた」(「海外との交流について」1960年)と書いている。ヴェニス出品作家20名は、このコレクションと全く同一作家であり、出品作の全リストは現在確認できないものの、日本写真年報1960年版に掲載されている出品作の「画題」(p.264)は、このコレクションと一致する。現存数(194点)とヴェニス出品数(245点)は一致しないが、欠番(22点分)を考慮すると、両者を同一のものと考えられる。ドキュメンテーションが各関係機関に保管されていなかったので、断定することはできないが、このコレクションは、「第2回ヴェニス・ビエンナーレ国際写真展」日本出品作が何らかの理由でSFPに巡回し、展示され、それを機に所蔵された可能性が極めて高いのである。そのいずれかの過程で、相当数が紛失したことになる。このコレクションは単純なジャポニスムを狙うのでなく、近年の日本写真界の最良の成果を盛り込み、そこに日本の現状を映し出し、伝える要素を強めたものである。現代写真展の海外出品が国単位で行われるとき、この選定方法はひとつの先例となって、その後も引き継がれていった。京都とパリは、1958年6月から姉妹都市の関係を結び、その交流の一環として、写真交換展が企画された。ここに収められたのは、京都のアマチュア写真家のクラブ、京都カメラクラブメンバーの作品(1967年、1968年)と、京都写真連盟のメンバーの作品(1972年)各100点とみられる。このふたつのコレクションは、もっとも近年の作品であり、すべてモノクロームで、いわゆるスナップ写真を主体とする。戦後のアマチュア写真家友好団体による国際交流展の出品作であり、注目すべき作家も含まれていないため、写真史的な意味は少ないと考える。よって本報告の紙数制限の都合上、この二つのリストの個々の詳細なリストの添付と内容の検討は割愛する。ンである。詳細はリストを添付した。(鹿島美術財団 注)すべてモノクロームのプリントで、作品裏面に作家名、作品名の記載があっても、Camera Pictorialists of Japan(CPJ)提供作品 427点3分割される724番のコレクションのうち、もっとも点数が多いのがこのセクショ
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