鹿島美術研究 年報第23号別冊(2006)
228/589

『在外日本の至宝』6文人画・諸派,毎日新聞社,1980年,図10による。紙本墨画淡彩、武田光一「池大雅と『八種画譜』」『科学研究総合研究(A)代表・久保尋二「芸術の分類の様態と原理」研究成果報告書』,1985年による。本稿においては特に武田氏の研究成果より多くの教示を得ていることを記しておきたい。『江戸の絵画』展覧会図録,山種美術館,1989年,図32による。紙本墨画淡彩、105.0×鄭振鐸編『中国古代版画叢刊3』(上海古籍出版社,1988年)所載『顧氏画譜』による。北京武田光一「池大雅における画譜による制作」、同氏「図版解説 池大雅筆 指墨山水図」『美術前掲注武田氏図版解説による。文淵閣四庫全書電子版全文検索版(上海人民出版社)での検索による。実践女子大学宮崎法子教授の御教示による。国立公文書館内閣文庫に、明・弘治刊本(昌平坂学問所本)、明・嘉靖刊本(紅葉山文庫本)がある。 前掲注武田氏図版解説では、終南浄寿が賛を記す余白部分がやや狭いことから賛が後のもの■白雲紅樹図(襖絵)は、大雅の掛幅をもとに構築的に画面を再構成することに成功した好例といえる。人見勇一「大雅堂夫人玉瀾女史」『塔影』第12巻第3号,1936年,18頁下段参照。大雅の「白雲紅樹図」については拙稿「中国山水画受容の一様相―池大雅筆『白雲紅樹図』をめぐって―」『美術史』第156冊,美術史学会,2004年,394〜409頁。―218―〔附記〕2007年4月から12週間をかけ、フィラデルフィアにおいて日本とアメリカの所蔵作品による池大雅、玉瀾展が開催される。玉瀾の画業についてはこの展覧会が総覧された上で再考されるべきであることを付け加えておく。なお作品調査にあたっては各所機関の関係者の方々にお世話になり、実践女子大学仲町啓子教授、宮崎法子教授より貴重なご意見を賜った。記して謝意を申し上げます。29.7×56.4cm。42.0cm。湾漁~)からの引用を指摘する。同氏「池玉瀾筆 花卉・山水図(部分)解説」『日本屏風絵集成』第3巻 山水画 南画山水,講談社,1979年,144頁では、山水図第五扇は雪-第10図(罩柳)からの引用、山水図第4扇は池大雅筆、渓山帰漁図(『池大雅画譜』No.301)からの引用であることを指摘される。山水図6図中3図が『大雅堂画法』からの引用、1図が大雅の作品(渓山帰漁図)からの引用ということになる。大学図書館蔵本、明・万暦31年(1603)刊。研究』348号,東京文化財研究所美術部,1990年,39〜60頁,61〜64頁による。である可能性も示唆されるが、さしあたっては図と賛は同時期のものと判断されている。

元のページ  ../index.html#228

このブックを見る