鹿島美術研究 年報第23号別冊(2006)
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Chinese Room, Director, n. pag.1905年9月11日付ガードナー夫人宛岡倉の書簡、Ed: Sunao Nakamura, Okakura Kakuzo CollectedChinese Room, Inventory and Notes1, n.d., p.7. ガードナー美術館所蔵。Chinese Room, Director, n. pag.1913年(月日不明)ガードナー夫人宛六角紫水と岡部覚弥の書簡。ガードナー美術館所蔵。1913年12月13日付ガードナー夫人宛富田幸次郎の書簡。1916年8月27日付ガードナー夫人宛デ注Yasuko Horioka, The Life of Kakuzo¯: Author of the Book of Tea, Tokyo: Hokuseido, 1963, P.82. Susan Sinclair, “The Chinese Room(1914−1970)”, 1991(revised 1996), p.2. ガードナー美術館所■Victoria Weston, East Meets West: Isabella Stewart Gardner and Okakura Kakuzo¯, Boston: IsabellaStewart Gardner Museum, 1992, p.34. 日本語訳に小泉晋弥「東と西の出会い−イザベラ・スチュワート・ガードナーと岡倉覚三−」(『茨城大学五浦美術文化研究所紀要五浦論叢』第7号、茨城大学五浦美術文化研究所、2000年、133−162頁)がある。本稿では報告者自身の訳を用いた。■Sinclair,op.cit.,p.2.■1970年10月16日付ハドリーの覚書。ガードナー美術館所蔵。■競売カタログ、Oriental Art: Public Auction, New York: Parke-Bernet Galleries,1971. ガードナー美■“Treatment of Chinese Room, January to August 1962”. ガードナー美術館所蔵。■原文の表記はBuddhaだが、関羽像は仏像ではないので道教像という表記にした。Chinese Room, Director, n.d., n. pag. ガードナー美術館所蔵。21は経机だが、Benchと表記されて―16―English Writings3, Tokyo: Heibonsha, 1984, p.62.と置かれた中国室は博物館と見紛う西洋の室内装飾法を踏襲しており、模様替えをしない恒久的な展示も茶室とは対極にある。しかし重要なのは、ガードナー夫人が旧中国室から中国室へどのように改装したかということであり、中国室には岡倉の説いた茶室の精神性が見出し得るということだ。多数の人々に見せることを目的とする他の展示室と異なり、ガードナー夫人はこの部屋に自分が選んだ少数の人だけを招待した。ガードナー夫人にとって中国室は茶室のような空間だったのかもしれない(注21)。現在ガードナー美術館ではアラン・チョン学芸員が中心となり、中国室の復元を目指して売却された美術品の買い戻しを試みている最中である。中国室という名称に対する問題も含め、調査はまだスタート地点に立ったばかりである。復元作業の進展によっては新たな事実が浮かび上がってくる可能性もあり、今後もガードナー美術館と連携を密に取りながら中国室に関わる研究を進めていく予定である。なお、今回の調査にあたってはガードナー美術館の文書保管係クリスティン・パーカー氏の惜しみない援助をいただいた。厚く謝意を表したい。蔵。術館所蔵。いる。

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