鹿島美術研究 年報第23号別冊(2006)
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この場面は、中之島本の現状では、第五図と第七図にあたり、第七図は第六図と見開きになっているが、勝俣隆氏は、第五図と第六図の位置が相互に差し違えられており、第五図と第七図が本来は連続する見開き画面であったと指摘されている。稿者が実見したところ、勝俣氏の指摘どおりであると確認できた。勝俣隆「大阪府立中之島図書館蔵『七夕』の翻刻及び解題」(『新居浜工業高等専門学校紀要(人文科学編)』20、1984年)―57―〔付記〕作品調査に際して、ご高配を賜り、図版掲載をご許可下さった所蔵者各位をはじめ、本稿執筆にあたりお世話になった方々に厚く御礼申し上げたい。末筆ながら深甚の謝意を表する次第である。博本と同様で、やはり、絵巻の時間軸とは齟齬をきたしていることになるが、画面の横幅が比較的狭いために違和感はみとめられない。

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