―386―奉納された「為朝護白川殿図」と「濱主舞楽・菅公賦詩図」は、画題に対してではなく奉納先に対しての「謹寫」と理解できる。一方の「神変大菩薩渡唐之図」は、作品の落款は「楓湖敬忠」であるが、内箱の裏面の奉納銘には「楓湖敬忠謹識」とある。これらのことから、「神変大菩薩渡唐之図」が金刀比羅宮に奉納することを前提として描かれたものではないことが分かる。
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