鹿島美術研究 年報第24号別冊(2007)
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注奥村雄樹「カプセル文化講座石膏デッサン入門」『美術手帖』2005年4月号。 本稿に先行するエッセイとして次を参照。拙稿「古典古代彫刻石膏模像のために」『美術フォ■東京大学工学部所蔵石膏像の調査については、このたびも同大学院工学系研究科藤井恵介准教■F. Haskell and N. Penny, L’Antico nella storia del gusto, 1984, Torino, pp. 390−392.■桑原實監修『東京美術学校の歴史』日本文教出版、1977年、262頁。■河合塾美術研究所名古屋校のご協力を賜った。■東京大学工学部建築学科石膏コレクション中、タイトルの表記、作品のコンディションから工部美術学校あるいは当時の収集と推測し得る古代彫刻は以下の通り(『』は作品に付された表記)。《アンティノウス》、『トルゼットヴェニュストヴァティカノ』、『ペルガモン王宮舞女』、《クニドスのヴィーナス》胸像、《ラオコオン》胸像、《円盤投げ》《アリアス》、《カプアのヴィーナス》胸像、《ジュスティニアーニのミネルヴァ》、《ナポリのナルキッソス》、『シセロン』、《ホメロス》胸像。いっぽう、東京芸術大学の石膏陳列室が管理する古代彫刻模像には、ルーヴル美術館の《マルス》、《サモトラケのニケ》、《ボルゲーゼの戦士》、《ミロのヴィーナス》、《サンダルを穿く競技者》、ヴァティカン美術館の《デモステネス》、《ラオコオン》、《円盤投げ》、《ベルヴェデーレのトルソ》、カピトリーノ美術館の《とげ抜き》、ウフィツィ美術館の《スキタイ人》、《ファウヌス》のトルソ、アクロポリス美術館の《サンダルを脱ぐニケ》がある。グランドツアー風の逸品主義から、美術史学的な基準作の呈示へと、コレクションの性格が動いている。■ローマ美術アカデミー実地調査については、アカデミア・ディ・サン・ルーカ学芸員アンジェ―395―であろう。(c)についてはさらに中学高校の美術教育、石膏像成型業者の活動を調査対象に加えていきたい。一次資料としてはおろか、備品として管理される以前に教材として消耗しがちな石膏像の動きをたどることは容易ではないが(国内外を問わず、物品の管理責任の問題と絡んで情報の公開にやや時間を要する)、そうであればこそ、今、ひとつの文化の記憶を書き留める努力が広く求められるのではないだろうか。ーラム21』13号、醍醐書房、2006年。授、角田真弓氏のご協力を賜った。ラ・チプリアーニ(Angela Cipriani)氏のご協力を賜った。

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