■この現象については以下を参照。R. Bartalini, Le occasioni del Sodoma. Dalla Milano di Leonardo■F. Bisogni, “La nobiltà allo specchio”, in I Libri dei Leoni. La nobiltà di Siena in età medicea(1557−■A. Marelli, S. Maria in Portico a Fontegiusta, Siena: Tipografia Pontificia S. Bernardino, 1908, p. 58.■コジモの肖像表現を概観するには以下を参照。K. Langedijk, The Portraits of the Medici:15th−18th■シエナの旧市街のスタッロレッジ通りの一角には、ソドマの描いたフレスコ画のピエタ像を納めた壁龕が設置されているが、この像は《カラスの聖母》と呼ばれている。町の民間伝承によれば、1348年、この地点に空から死んだカラスが落下し、ここから黒死病が町に蔓延したと言われている。この伝承がいつ頃から広まったのかは明らかではないが、ファビオ・キージ(のちの教皇アレクサンデル7世)は、1625−26年に作成したシエナの町の美術品リストにおいて、ソドマ作品をすでにこのタイトルで呼んでいる(“L’elenco delle pitture, sculture e architetture diSiena compilato nel 1625−26da Mons. Fabio Chigi poi Alessandro VII”, a cura di P. Bacci, in Bullettinosenese di storia patria, 1939, XVIII, p. 331)。シエナの市門に描かれたフレスコ画については、次の拙論を参照。「シエナ―閾の聖像」『都市を歩く―ローマから博多まで』井口正俊・岩尾龍太郎編、九州大学出版会、2006年、27〜48頁。拙論「石の中のイコン―ルネサンス期シエナにおける聖画像タベルナークルムの制作と受容」この2つの聖母像とフィレンツェに対するシエナの勝利との関連については、次の拙論を参照。“Battle, Controversy, and Two Polemical Images by Sodoma”, in Res. Anthropology and Aesthetics, no.45, autumn 2004, pp. 53−72.拙論「帝国と自由―ソドマのスペイン人礼拝堂装飾にみる皇帝礼賛と聖母崇拝」『美術史』これら2作品についてはそれぞれ、Langedijk, op. cit., vol. I, pp. 435, 389を参照。Ibid., p. 424.R. J. Crum and D. G. Wilkins, “In the Defence of Florentine Republicanism: Saint Anne and FlorentineArt, 1343−1575”, in Interpreting Cultural Symbols. Saint Anne in Late Medieval Society, eds. by K.Ashley and P. Sheingorn, University of Georgia Press, 1990, pp. 153−155.第157冊、2004年、116〜132頁。この問題に関する文献は近年増えつつあるが、ここでは2点の邦語文献を挙げるに留める。北田葉子『近世フィレンツェの政治と文化―コジモ1世の文化政策(1537−60)』刀水書房、2003年。小佐野重利「エトルリア美術とヴァザーリにおける〈素描芸術の起源〉」『知性の眼―イタリア美術史7講』中央公論美術出版、2007年、123〜140頁。この絵に関するもうひとつの重要な問題は、本図が表象しているのがいつのペストかという点―61―ンニ・ナヴェージとの関連を指摘している(A. De Marchi, in Da Sodoma a Marco Pino. Pittori aSiena nella prima metà del Cinquecento, catalogo della mostra di Siena, Firenze: S.P.E.S., 1988, p.157)。『西南学院大学国際文化論集』第21巻、第1号、2006年、248〜253頁。である。この問題の解明は今後の課題としたい。1737), a cura di M. Ascheri, Siena: Monte dei Paschi di Siena, 1996, p. 205.alla Roma di Raffaello, Roma: Donzelli Editore, 1996, pp. 29−33.Centuries, vol. I, Firenze: S.P.E.S., 1981, pp. 79−120, 407−530.
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