鹿島美術研究 年報第25号別冊(2008)
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Stephen White, John Thomson: A Window to the Orient(New York: Thames and Hudson, 1985), 20−24■解放令前後については北崎豊二編著『明治維新と被差別民』解放出版社、2007年参照。■Nancy Armstrong, Fiction in the Age of Photography: The Legacy of British Realism(Cambridge andCharles Worswick, “The Disappearance of Uchida Kyuichi[sic]and the Discovery of Nineteenth-注本稿執筆に際し、史的事項については以下を参照した。横浜美術館蔵の原本と複写版。『復刻版 ザ・ファー・イースト』(全7巻)雄松堂出版、1965年。『復刻版 ザ・ファー・イースト・ニューシリーズ』(全5巻)雄松堂出版、2007年。Terry Bennett, Photography in Japan 1853−1912(Tokyo: Tuttle Publishing, 2006); Terry Bennett, Old Japanese Photographs: Collectors’ DataGuide,(London: Bernard Quaritch, 2006) Rosalind E. Krauss, The Originality of the Avant-Garde and Other Modernist Myths(Cambridge andLondon: The MIT Press, 1988), 147【邦訳:ロザリンド・クラウス『オリジナリティと反復』(小西信之訳)リブロポート、1994年、119頁】■The Far East, July1876, i−ii, 94参照。■Luke Gartlan, “A Chronology of Baron Raimund von Stillfried-Ratenicz,” in John Clark, JapaneseExchanges in Art, 1850s−1930s with Britain, Continental Europe, and the USA: Papers and ResearchMaterials(Sydney, 2001), 121−188参照。■ヴィクトリア朝期の鑑賞者はかかる「透明性」を通じ、例えばクリミア戦争の写真を見た。Jennifer Green-Lewis, Framing the Victorians: Photography and the Culture of Realism(Ithaca andLondon, 1996), 97−144参照。■John R. Black, Young Japan: Yokohama and Yedo 1858−79(Vols.1−3)(Tokyo, London and NewYork: Oxford University Press, 1968)【邦訳:『ヤング・ジャパン』(全三巻、ねずまさし・小池晴子訳)東洋文庫、1970年】これに関連し兎を食らう見世物を目撃した以下の逸話は重要。Young Japan(Vol.2), 369−370拙稿「写真のプロブレマティカ―下岡蓮杖とその周辺をめぐって」、『幕末明治の横浜展 新し―308―をなしている。少なくとも1945年まで、天皇を中心とする中央集権的な国民国家の基盤強化に写真メディアは積極的な貢献を続けるだろう。他方、最下層に位置する「民草」に注がれた、啓蒙と好奇と差別の交錯する視線は、明治初年という「近世」の残光をかろうじて宿した特殊な時間のなかに留まり続けている。かかる罪障を負った視線のエキゾティシズムを、写真というメディアはついに回避しえないが、かといって好奇心を喪失したそれはアートとしての強度を欠いた紛い物となる。『ファー・イースト』のドキュメンタリー的な価値は、フォトジェニックな人間表象の功罪を改めて我々に問う身振りに拠っており、その問いは世界に格差が残存する限り、いまなお生々しいまでに有効である。London: Harvard University Press, 1999), 92−95。以降の引用も同じ。参照。い視覚と表現図録』横浜美術館、2000年、182−185頁参照。

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