―471―aesthetic, literature or religion are vital for the process of constructing nation-states. The aimof this paper is to make an inquiry into the nature of national identity constructs produced inthe eve of the birth of the two modern nation-states −Japan and Poland−through examiningthe nonpolitical sphere of fine arts. The analysis will focus on the actual practice of twoindividuals involved in the process of narrating national identity - the artist KatsushikaHokusai（1760−1849）and the collector and art theorist Feliks Manggha Jasienski（1861−1929）. This paper will engage in a comparative analysis of Hokusai’s artistic practice on oneside, and Jasienski’s theory on Japanese art on the other.「雅俗」といった言葉も、まったく同じではないだろうか。“‘Japaneseness’ as self and other: Constructing national identity−Katsushika Hokusai andFeliks Manggha”The history of humanity constantly demonstrates that nonpolitical spheres such as信に師事した。雅邦は1854年塾頭になったのち、1860年独立したが、その間の木挽町狩野家における修行学習の思い出を書き残したのが、「木挽町画所」にほかならない。そのなかで雅邦は「厳禁に属したるは文人画者流に交わり、書画会等に臨むこと是なり。また浮世絵を画くを禁じたり」と書いている。そこには、私的画家である文人画や浮世絵師をさげすむような口吻さえ感じられる。現代でもしばしば「官尊民卑」が問題となるが、木挽町画所の思想は、まさに絵画における官尊民卑であったといえよう。以上は画家の社会的身分あるいは階層に関する問題である。もし公的画家が制作する作品がすべて公的なものであり、私的画家が描く作品がみな私的なものであるならば、話は簡単である。しかしそうではなかった。公的画家にも私的作品があったし、私的画家にも公的作品はあった。しかも身分階層にしろ作品にしろ、公的と私的を画然と分けることが困難な場合も少なくなかった。江戸時代絵画において、公私とは二項対立的な要素ではなかった。公から私へ、あるいは私から公へ、少しずつ変化していくのであり、ある場合には入れ子のようになっていた。公私を二項対立的に考えれば、分かりやすく、またおもしろいが、それは江戸時代絵画の実体を正しく反映する鏡ではあり得ない。おそらくこれは、江戸時代文化全体にも敷衍することができるであろう。また江戸時代文化を解く鍵のように使われるマホトカ・エヴァ（学習院大学）
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