鹿島美術研究 年報第25号別冊(2008)
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―479―“Oktateuch-Probleme: Bemerkungen zu einer Neuerscheinung” Byzantinische Zeitschrift.Early Christian and Byzantine art. Phaidon社(ロンドン)1997年、447頁。本書は現在まで4版を重ね、フランス・ギリシャ・韓国・日本の各国語に翻訳されadditional manuscripts and new questions,” with Robert S. NELSON, Dumbarton OaksPapers. 1991, v. 45, pp. 59−68, ビザンティン写本の贋作問題については、“Some forgedByzantine miniatures,” Thumiama ste mneme tes Laskarinas Mpoura. pp. 165−167、を参照のこと。このように彼の業績を挙げてみると、方法論的な自覚をもって、ビザンティることのみを論じよう、というのがラウデンの基本姿勢であった。なお、八大書に関するその後の知見は、以下の論文にまとめられた。1991−1992, v. 84−85, no.2, pp. 501−511.この後ラウデンはビザンティンの主要な写本や写本ジャンルについて、データを総浚いし、問題点を洗い出した上で、研究の可能性を開拓する論文を多数執筆する。『ニケタスの聖書』については、“An alternative interpretation of the manuscripts ofNiketas,” Byzantion. LIII/2(1983), pp. 559−574, 詩篇写本については、“Observationson illustrated Byzantine psalters,” Art Bulletin, LXX/2(June 1988), pp. 242−260, 『コットン創世記』については、“Concerning the Cotton Genesis and other illustratedmanuscripts of Genesis,” Gesta. 1992, v. 31, no.1, pp. 40−5、旧約聖書中の大小預言者については、単行本Illuminated Prophet Books: a Study of Byzantine Manuscripts of theMajor and Minor Prophets, Pennsylvania 1988、後期ビザンティンの「パレオロギナ・グループ」と称される同一工房で制作された写本については、“The Palaeologina group:ン写本の全領域を網羅しようとする意志が強く感じられる。このような緻密な考証に基づく論文ののちに、ヴァイツマン批判の集大成とも言うべき総論的な論文を執筆することになる。“The beginnings of biblical illustration,”Imaging the early medieval Bible, pp.9−59.ちなみに日本における講演会では、ヴァイツマンの高弟の一人である辻成史氏(大阪大学名誉教授)との間で「論争」が展開されたことを付言する。ラウデンがヴァイツマン理論の実証性の乏しさを批判すれば、辻氏はヴァイツマンを全否定するのではなく、有効な点を役立てるべきだと主張した。第一人者同士のスリリングな論争は聴衆を沸かせた。ラウデンの仕事は高度な専門性をもつ性格のものであるが、一般向けの啓蒙書としては、以下が有名である。ている。報告者の益田は、日本語版『岩波世界の美術 初期キリスト教美術・ビザン

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