1.2009年度援助― 559 ―⑴外国人研究者招致① 「 アンリ・リヴィエールとブルターニュ、アンリ・リヴィエール ブルターニュと日本の近似性」期 間:2009年10月23日〜27日(5日間)招致研究者:フランス共和国、県立ブルターニュ博物館長フィリップ・ル・ステュム(Philippe Le Stum)報 告 者:山口県立萩美術館・浦上記念館 学芸課主査 藤 村 忠 範山口県立萩美術館・浦上記念館で2009年10月20日から12月6日まで開催した「フランスの浮世絵師 アンリ・リヴィエール展」会期中の10月24日に、県立ブルターニュ博物館館長フィリップ・ル・ステュム氏を招致し、同館講座室で記念講演会、及び、シンポジウムを開催しました。それぞれの参加者は約50名でした。「アンリ・リヴィエールとブルターニュ」と題した記念講演会では、リヴィエールがブルターニュを愛し、生涯この地を描き続けた経緯について説明され、時代背景と、ブルターニュの歴史、地理、文化の特質について解説されました。また、具体的な作品を引用しながら、風景画家、版画家としてのリヴィエールの特徴について明らかにされました。後半では、リヴィエールの残した業績を継ぐ形でブルターニュで活躍した、数々のジャポニスムの画家たちについて紹介されました。彼らは日本ではまだほとんど知られていない画家たちであり、今後の国内でのジャポニスム研究に一石を投じるものと考えられます。「アンリ・リヴィエール ブルターニュと日本の近似性」をテーマにしたシンポジウムでは、ブルターニュの歴史や文化、地理的な特質についてより深く考察し、日本との近似性について意見の交換をしました。また、リヴィエールと浮世絵の関係性、近似性について議論しました。民衆の芸術であった浮世絵に対し、20枚ずつしか摺らⅡ.「美術に関する国際交流援助」研究報告
元のページ ../index.html#570