注⑴ チャールズ・ワーグマンについては、以下に詳しい。「没後100年ロンドン発横浜行き チャールズ・ワーグマン展」図録 神奈川県立博物館,1990年。John Clark, Japanese exchanges in art, 1850s to 1930s with Britain, continental Europe, and the USA, Sydney: Power Publications, 2001。「ワーグマンが見た海−洋の東西を結んだ画家」展図録、神奈川県立歴史博物館、2011年。⑷ ワーグマンの在外作品は、前掲注⑴、Japanese exchanges in artに詳しい。また、「JAPANと英吉利西 日英美術の交流 1850−1930」展(於世田谷美術館、1992年)で展示されたものもある。⑸ 岡部昌幸氏は、ワーグマンと義松のそれぞれの《五重塔》を比較し、線の質が異なる点を挙げ、作者が異なると指摘する(岡部昌幸「大英博物館蔵ワーグマン《五重塔》について」『明治美術研究学会第八回研究報告』 明治美術研究会,1985年,27−43頁)。しかし、前者は鉛筆を主とし水彩で着彩、後者は水彩を主とするので線質を単純に比較することは難しく、報告者はすべて義松の制作と考えている。⑺ 拙稿「【研究ノート】五姓田義松旧蔵作品群とチャールズ・ワーグマン」 『神奈川県立歴史博⑻ 高階秀爾「和製油画論」 『國華』1382号 國華社,2010年,23−29頁(謝辞)本調査研究にあたり、シドニー大学教授John Clark氏ほか、多くの個人所蔵家・⑵ 長年ワーグマン研究に励んだ横田洋一もまた、来日前後の様式については疑問を呈していた。⑶ 来日以前の作品の多くは、神奈川県立歴史博物館が所蔵する。その作品群の概要については、以下を参照。拙稿「ワーグマンが見た海−理想郷を求めて−」 前掲注⑴「ワーグマンが見た海−洋の東西を結んだ画家」展図録所収。⑹ 肉筆手記は、以下に写真版として全頁掲載されている。また本稿でも紹介した作品はその附図として、同書にも収録されている。The West’s encounter with Japanese civilization, 1800−1940, vol.10, Richmond: Japan Library, 2000。と思う。それはより魅力あるワーグマン像の提示であり、幕末明治期に生きた画家、あるいはその時代の美術史を包括的に語る試みともなるからだ。所蔵機関にご高配を賜りました。ここに記して感謝の意を表します。横田洋一「日本をこよなく愛したイギリス人画家」『三彩』517 三彩社, 1990年, 66−68頁。物館館だより』187号 神奈川県立歴史博物館,2011年,6−7頁― 17 ―
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