鹿島美術研究 年報第28号別冊(2011)
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⑹ このほか伝王維雪景図として著名な作に、ホノルル・アカデミー蔵《長江積雪図巻》があげられる。本作品は《江干雪意図巻》と《江山雪霽図巻》の図様を合わせたものとなっており、この図像を底本とした伝王維雪景図が少なからず出回っていたと考えられる。699−759)”, Archives of Asian Art, XXX, 1977― 295 ―⑺ 《■川図》は現在多数の伝承作があるが、〔図5〕の郭世元《模郭忠恕■川図》(拓本)が、現存する《■川図》中、最も古様を表すとされる。文徴明は北京任官中に、郭忠恕の《模王維■川別業図巻》を実見し写しており、20年余りを経てその時の臨本をもとに制作した《■川荘図》(個人蔵)が存在する。(米澤嘉圃「文徴明筆 ■川荘圖」『國華』736、國華社、1953年7月)⑻ 「元趙孟頫袁安臥雪圖」、清・孫岳頒・等奉敕撰『佩文齋書畫譜』(康■47年(1708)序)巻第⑼ 注⑶を参照。⑽ 北宋・沈括■『夢溪筆談』卷十七「書畫」。⑾ 王寵との関わりから本作品を論じたものとして次の論考があげられる。Craig Clunas, Elegant Debts, University of Hawaii press, 2004. 石守謙「失意文士的避居山水─論十六世紀山水画中的文派風格」『風格與世變』、允晨文化出版公司、1996年。八十五、「歴代名人畫跋五」、二。

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