⑸ 1851年の第一回ロンドン万国博覧会においても、イギリスの商社が出品した14点の日本美術が展示されたが、いずれも中国会場に中国の美術品と混在するようなかたちで展示されていたことから、これらが日本のものとして認識された可能性は低いと考えられる。1862年以前の日本美術の紹介については、以下参照。Watanabe, Ibid, 1991, pp. 80−82. および小野文子『美の交流―イギリスのジャポニスム』技法堂出版、2008年、pp.3−8.⑹ Waring, J. B. Masterpieces of Industrial Art and Sculpture at the International Exhibition 1862, 3 vols., ⑿ ⒀ ⒁ たとえば彼が取引をした業者に以下がある。 Wilson and William Fry(食卓布)、Brinton’s(カーペット)、Alexander Morton(マドラス・モスリン)、A. H. Lee(織布)、Royal Windsor Tapestry Company(タペストリー)、Thomas Wardle, Turnbull and Stockdale(面布)。⒂ 彼が著した主な文献に以下がある。『装飾(アクセサリー)芸術の例』(Instances of Accessory Art)(1880年)、『タペストリー絵画とその応用』(Tapestry Painting and Its Application)(1880年)、『日常の芸術』(Every-day Art)(1882年)、『パターンの分析』(The Anatomy of Pattern)(1887年)、『装飾の計画』(The Planning of Ornament)(1887年)、『パターンの解剖学』(The Anatomy of Pattern)(1887年)、『装飾の応用』(The Application of Ornament)(1888年)、『装飾における自然』(Nature in Ornament)(1892年)、『窓 ステンド・グラスとガラス絵についての本』(1897年)、『装飾における文字』(Lettering in Ornament)(1902年)、『装飾とその応用』(Ornament and its Application)(1904年)、『16・17・18世紀の書法』(Penmanship of the XVI, XVII and XVIII)(1911年)。 デイの著作および共著(書籍、論文、雑誌掲載記事、展覧会カタログに収録されたエッセイ、London, Day & Son, 1863, vol.3, text to plate 288.⑺ 戦闘、見本市、祝祭といった記念的で話題性があり、一般的によく知られた出来事の絵画的壁紙は、19世紀の後半を通して製造された。「ヴィクトリア&アルバート美術館展 英国のモダン・デザイン インテリアにみる伝統と革新」、埼玉県立近代美術館、1994年、p. 38.⑻ この壁紙は1852年の装飾美術博物館創設時に設けられた「誤った原理の装飾例」の展示室に展示された。菅靖子「ヴィクトリア朝における趣味の政治学─装飾美術館の“戦慄の間”」『一橋論叢』第3号、2001年および菅, Ibid, pp. 41−50.⑼ Watanabe, Ibid, pp. 149−159.⑽ 英国の装飾美術に与えた日本美術の影響を早くから指摘した研究者エリザベス・アスリンは、エキゾチックなモチーフを取り入れただけの表面的な影響が顕著な作品はむしろジャポニスムが高揚してくる1880年代以降に多く見られ、初期ほど日本美術の基本原理を取り入れようとする傾向にあると指摘している。Aslin, Elizabeth. The Aesthetic Movement: Prelude to Art Nouveau, New York, Praeger, 1969, p. 79.⑾ Hansen, Joan Maria. Lewis Foreman Day (1845−1900): Unity in Design and Industry, Antique Collectors’ Club, 2007. は、その最初の体系的な研究書であるが、彼が著書において繰り返し言及した日本美術に関してはわずかに引用されているのみで、彼のデザインにおけるジャポニスムについてもほとんど論じられていない。Ibid, p. 19.Ibid, p. 20.飾美術博物館創設の経緯については、以下参照。菅靖子『イギリスの社会とデザイン―モリスとモダニズムの政治学』彩流社、2005年、pp. 27−50.講演録)をまとめたリストは以下に掲載されている。Hansen, Ibid, pp. 313−315. デイの著書は重版・改訂され、雑誌記事については複数の雑誌に同じ記事が掲載されることも― 533 ―
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