鹿島美術研究 年報第28号別冊(2011)
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第33回大会は、百年以上の歴史を有する国際美術史学会としては初めて、ゲルマン国立博物館という博物館/美術館を舞台として開催されることもあり、総合テーマは「Object」である。当該報告者は21セクションのうち、宗教美術についての比較研究を主とする第3セクション「On Religious and their Objectivations as seen from Intercultural Perspectives/Die Religionen und ihre Objektivierungen in der Kunst aus interkultureller Perspektive」をドイツ人セクション・リーダーと共に担当するよう先般国際美術学会執行部より指名を受け、今回の準備会議に参加した次第である。― 602 ―⑵ 会議出席① 「国際美術史学会第33回大会のための座長による準備会議」開を画策しており、特に四国・徳島を開催地と想定し、2012年初夏に一つの結論を出すことを目標とすることを述べた。以上の状況を国際美術史学会会長および副会長以下3人が了承し、今後に向けて交流を深める意向を双方確認する。美術史研究における国際的連携は、この数日における人的交流を通じて、具体的な提案をもとに建設的な話し合いを行うことができたと確信している。期   間:2011年5月11日〜19日場   所:ドイツ共和国、ニュルンベルク、ゲルマン国立博物館報 告 者:東京大学大学院 人文社会系研究科 教授  秋 山   聰今回のドイツでの活動は、2012年7月中旬にニュルンベルクのゲルマン国立博物館において開催が予定されている国際美術史学会第33回大会(33rd Congress of the International Committee of the History of Art)のための準備会議へ参加が主とするものであった。これは全21セクションのセクション・リーダー(セクションごとにドイツ人研究者1名と非ドイツ人研究者1名)およびドイツ人研究者からなる大会実行委員会と国際美術史学会執行部および各国ビューローの代表らの出席するもので、主たる目的は、各セクションのコンセプト説明ともに、セクションごとに発表者の暫定的な選抜結果を紹介することにある。準備会議は5月16日、17日の二日間にわたって行われたが、これに先立ち第3セクションのドイツ人セクション・リーダーであるベルリン・アジア美術館のマルティ

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