鹿島美術研究 年報第29号別冊(2012)
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注)1  冒頭逸話の内容とテクストが合致する箇所には○をつけ、合致しない箇所に×をつけ、絵画化された箇所には[画]テクストの系統制作年代材質、法量などライデン本冒頭逸話の概要①玄宗が方士に楊貴妃の魂魄を捜させる(「長恨歌序」の読み下し)② 「長恨歌」の概要と作者の白居易について③唐の始まりから玄宗の治世(開元の治)まで④勤政楼、花萼宮、務本閣について⑤玄宗の后の元献皇后、武淑妃について(寵愛を受けるが相次いで亡くなる)⑥二人の后の没後、楊貴妃を后とし溺愛する。玄宗、楊貴妃を連れて驪山の温泉宮に行幸する。⑦楊貴妃一門の繁栄⑧楊貴妃の養子になった安禄山が赤子の真似をして沐浴する⑨楊国忠、吐蕃軍の反乱に対して、一戦も交えず退却し、味方の兵一万人の首を斬り、吐蕃兵の首とする⑩安禄山、楊国忠に対して戦闘をしかけ、謀反をおこす⑪『長恨歌伝』の作者陳鴻が語る「長恨歌」の趣旨(「乱階を防ぎ、将来に伝えるため」) 2 逸話の内容が異なる箇所には下線を付けた。Bを入れ、通し番号をつけた。《長恨歌絵巻》作品名思文閣古書資料目録ライデン本系(寛文頃1661−1672)(貞享・元禄紙本著色、三巻、縦31.5糎×上1962糎、中2105糎、下1780糎、上7・中6・下5計18図○ [画1]二人の后の没後、楊貴妃を后とし溺愛する○[画2]玄宗、楊貴妃を連れて驪山の温泉宮に行幸する○[画3]禁門を出入する時は姓名を問わず○[画4]霓裳羽衣の舞と宮殿に攻める安禄山第150号《長恨歌》九曜文庫小型巻子本ライデン本系テクストの系統制作年代材質、法量など冒頭逸話の概要○ [画1]○[画2]二人の后の没後、楊貴妃を后とし溺愛するア)玄宗の后の元献皇后、武淑妃について(寵愛が衰える)○[画3]玄宗、楊貴妃を連れて驪山の温泉宮に行幸するイ)驪山宮で見初められた楊貴妃が宮廷に上がり、玄宗の寵愛を独占するウ)楊貴妃の養子になった安禄山が赤子の真似をして沐浴するエ)楊国忠、吐蕃軍の反乱に対して、一戦も交えず退却し、味方の兵一万人の首を斬り、吐蕃兵の首とするオ)安禄山、楊国忠に対して戦闘をしかけ、謀反をおこす○ [画4]○ [画5]楊国忠、吐蕃軍のまえに退却○[画6]車に乗って宮殿を脱出する玄宗と楊貴妃カ)白楽天が「長恨歌」で意図したこと(「淫楽にしずむものをいましめんため」)1684−1703)紙本著色、三巻、縦17.1糎×上1169糎、中1259糎、下1096糎、上6・中5・下5計16図― 384 ―《長恨歌》九曜文庫大型巻子本大谷本系(万治・寛文作品名大谷本○[画1]楊貴妃が宮廷に上がり、玄宗の寵愛を独占する○[画2]○ 1658−1672)紙本著色、三巻、縦32糎×上1748糎、中1538糎、下1729糎、上8・中6・下7計21図ACD○○○○○○○○○○○○○○○○○○《長恨歌絵巻》大阪大谷大学本大谷本系(寛文・延宝○[画1]楊貴妃が宮廷に上がり、玄宗の寵愛を独占する○[画2]○[画3]宮殿に攻め入る安禄山1661−1680)紙本著色、三巻、縦34.0糎×上1404.8糎、中1448.2糎、下1479.1糎、上6・中6・下7計19図表 長恨歌抄の冒頭逸話(「長恨歌前文」)の分類と該当作品

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