鹿島美術研究 年報第30号別冊(2013)
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図版出典図1〜3:ⓒ徳川美術館イメージアーカイブ/DNPartcom図4:『法然上人八百回忌 特別展覧会「法然 生涯と美術」』展図録、京都国立博物館、2011年図5:小松茂美編『日本の絵巻20 一遍上人絵伝』中央公論社、1988年図6:『一遍─神と仏との出会い─』展図録、佐野美術館、1992年図7:筆者撮影に拠る⑿「一遍聖絵」に描かれる庵室の様子は、注⑼にも述べたように「隠棲する聖の住まい」を表現し、流水の脇の板葺きの閑居、柳の枝を描く。本絵巻二段の前半部と共通する要素が多く、また二段の絵には墨で途中まで描かれた柳の枝が認められる。⒀加須屋氏注⑻論文参照。また、有賀祥隆氏は『一遍─神と仏との出会い─』展図録、佐野美術館、1992年の作品解説で、本文中に挙げた清浄光寺本の表現を踏襲し、さらに画面に一遍の姿を加えた二河白道図が清浄光寺に所蔵されていることを指摘している。⒁注⑻加須屋氏論文参照。十二光箱とは時衆が生活用具を収納する際に用いた木箱で、天板を、二河白道を模し青、白、赤の3色に塗り分けた。僧尼が座す際に境界に並べ、両者を分ける用途にも用いた。⒂時宗歳末別時念仏、及び一ツ火の概要については、佐藤道子「遊行寺の年中行事」『仏教芸術』185号、毎日新聞社、1989年、112−121頁高野修「時衆の伝統行事」『時衆の美術と文芸─遊行聖の世界─』東京美術、172−178頁などを参照した。⒃三段における浮遊する阿弥陀と不留坊の表現には、本文中でも述べたように舟形光背の痕跡がある。この舟形光背を持つ皆金色の阿弥陀仏は、手に懸かる襞の様など、清浄光寺本「二河白道図」の阿弥陀仏の表現に類似している。― 163 ―

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