注⑴ Donald Kuspit, Health and Happiness in the Twentieth-Century Avant-Garde Art, Cornell University Press, 1996, p.8.et propos sur l’art, texte, notes et index établis par Dominique Fourcade, Paris: Hermann, 1972, p. 50.）Henri Matisse, n.d. ［Feb 1903］, Archives Matisse, Paris.Matisse to H. Manguin, 11 July 1904, Archive Jean-Pierre Manguin, Avignon.⑵ カーステン・ハリーズ『現代芸術への思索：哲学的解釈』成川武夫訳、玉川大学出版部、⑶ オルテガ・イ・ガセット『芸術の非人間化』川口正秋訳、荒地出版社、1968、51頁。⑷ 前掲書、12頁。近代の前衛芸術がもつ非人間性、非社会性については、熊倉敬聡がモーリス・ブランショとテオドール・アドルノを引用しつつ、的確に述べている。「近代芸術は、社会を拒否すると同時に、自分自身を絶えず否定してやまぬ何ものかなのである」（熊倉敬聡『脱芸術／脱資本主義論─来たるべき〈幸福論〉のために』、慶應義塾大学出版会、2000、140頁）。⑸ ハーバート・リード『芸術と疎外：社会における芸術家の役割』増渕正史訳、法政大学出版局、⑹ Kuspit, ibid., p. 8f.⑺ 関則雄、三脇康生、井上リサ編『アート×セラピー潮流』、フィルムアート社、2002、48頁。⑻ アンリ・マティス『画家のノート』二見史郎訳、みすず書房、1978、47頁（Henri Matisse, Ecrit ⑼ 前掲書、 54－55、133、148、171頁。⑽ クラウス・ヘルディンク『ピカソ〈アヴィニョンの娘たち〉：アヴァンギャルドの挑発』、井面信行訳、三元社、2008、40頁。⑾ Hilary Spurling, The Unknown Matisse: Man of the North, 1869－1908, Penguin Books, 1998, p. 38, p. 236, pp. 247－248, p. 288, p. 324. 1902年から1903年にかけてのマティスを「暗黒時代」と称したのは、アルフレッド・バーである。⑿ Henri Matisse to H. Manguin, n.d. ［Feb 1903］, Archive Jean-Pierre Manguin, Avignon; H. Manguin to ⒀ Henri Matisse to A. Marquet, 29 Dec 1898, Wildenstein Institute, Paris.⒁ P Signac to Henri Matisse, 10 April 1904 and n.d. ［late May 1904］, Archives Matisse, Paris; Henri ⒂ Erich Franz, ed., Signac et la liberation de la couleur: de Matisse à Mondrian （Paris: Réunion des musées nationaux, 1997）, p. 69; Robyn S. Roslak, Neo-Impressionism and Anarchism in Fin-de-Siècle とではまったくない。それは、人間を構成し人間をとり巻くあらゆる要素、あらゆる力が、ダイナミックに、かつ調和的に均衡44状態にあることなのだ」（注40）。すなわち「均衡」はすべてを包み込む一元論を可能にする。芸術、生活、健康、幸福…「均衡」を志向することは、実のところ極めて貪欲な営みでもある。新印象派とマティスの芸術はその嚆矢でもあった─芸術はどこへ行くのか？ 前衛という一つの病から恢復した現代のアートシーンには、より大きな問いが待ち構えている。このような状況のなかで、新印象派とマティスの平和の芸術にいまいちど思いを馳せることは少なからず意義のあることだろう。1976、115－116頁。1992（1967）、10頁。― 7 ―
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