鹿島美術研究 年報第30号別冊(2013)
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335頁)など。様態』スカイドア、1997年、514−515頁)。国文学研究は、「寝覚物語絵巻」の本説である『夜半の寝覚』が『源氏物語』の強い影響下に成り立つことを説く(永井和子「宇治十帖と寝覚物語─作者と読者の問題」『続 寝覚物語の研究』笠間書院、1990年、225−231頁)。絵画に認められる相似関係の議論がこうした成果と共働するなら、この交換の意味は一般論を超えたより具体的なレヴェルで究明されよう。⑻ 池田忍「「白描伊勢物語絵巻」とその系譜的位置」(『美術史』第121号、1987年、32−46頁)。⑼ 山根有三「土佐光吉とその関屋・御幸・浮舟図屏風」(『国華』第749号、1953年、250頁)。⑽ 源氏絵の場面類型は、秋山虔・田口榮一『源氏物語─豪華[源氏絵]の世界』(学習研究社、1999年、306−317頁)に付される一覧を参照。また、久保惣本の新鮮な場面選択は、長田弘通「土佐派における源氏物語絵場面の継承について」(『大分市歴史資料館年報(1999年度)』2000年、4−21頁)に詳しい。⑾ 以下、『源氏物語』の引用は、柳井滋ほか校注『新日本古典文学大系19−23 源氏物語(1−5)』(岩波書店、1993−97年)による。⑿ 通勝が詞を記す「源氏物語絵詞」(九曜文庫)は、須磨巻で久保惣本と同一の箇所を抄出する。天正20年(1592)の年記が興味を引くものの、「友松筆」という絵をともなわず、今は注記にとどめるほかない。この資料は、中野幸一「中院通勝筆『源氏物語絵詞』」(『源氏物語の享受資料─調査と発掘』武蔵野書院、1997年、57−69頁)を参照。⒀ 伊勢絵の場面類型は、田口榮一「伊勢物語の絵画化」(鈴木日出男編『別冊国文学34 竹取物語伊勢物語必携』学燈社、1989年、27−38頁)に付される一覧を参照。サントリー美術館の屏風の位置づけは、佐野みどり「サントリー美術館所蔵伊勢物語色紙貼付屏風をめぐって」(『国華』第1245号、1999年、15−40頁)を参照。⒁ 折口信夫「愛護若」(『折口信夫全集2 古代研究─民俗学篇⑵』中央公論社、1975年、310−⒂ 以下、『岷江入楚』の引用は、中野幸一編『源氏物語古註釈叢刊6−9 岷江入楚(1−4)』(武蔵野書院、1984−2000年)による。⒃ 増田繁夫「朧月夜と二条后」(王朝物語研究会編『源氏物語の視界1 准拠と引用』新典社、1994年、149−168頁)、山本登朗「朧月夜と伊勢物語」(森一郎ほか編『源氏物語の展望』第7巻、三弥井書店、2010年、50−68頁)など。⒄ 近年の研究では、鷲頭桂「土佐光茂筆「車争図屏風」と都の図像」(『美術史論叢』第25号、東京大学、2009年、1−23頁)が、既知の文献史料を再検証しながら新鮮な解釈を打ち出している。⒅ 源氏絵制作における仲介者の役割は、岩間香「源氏絵制作に見るコーディネーターと絵師」(『京都市立芸術大学美術学部研究紀要』第34号、1989年、53−71頁)、片桐弥生「絵様考─注文主と絵師の間」(『日本文化研究』第11号、静岡県立大学、1999年、101−109頁)などを参照。⒆ 源氏学者としての通村の動向は、宮川葉子「家康と「源氏物語」(1−3)」(『源氏物語の文化史的研究』風間書房、1997年、229−332頁)を、伊勢講釈については、大津有一『伊勢物語古註釈の研究』(宇都宮書店、1954年、437−440頁)を参照。⒇ 前掲注⑽を参照。― 533 ―

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