丸木作也、漸成告来速移／于一宇、恭敬永寺、子枝孫葉／ 言已而覚翌日十一面観音像安片／岡山上而立、往見槻栴布地／ 為異、達 天聴依 勅而移／神宮寺、最為秘仏也、以其山／ 号丸木作山、俗呼丸山片岡山／是也、伝而不薪木葉謹不／ 伐、用木且二段者残留旧所／于時寛弘比、洛陽行円蒙／ 霊夢告事、乞後神官／不靳贈之、刻千手像長／ 八尺、安行願寺、余材之末一／段者後又刻同八尺像、安／ 良峯寺也［附記］ なお添状一紙が桐箱に納められている。巻子本文とは別筆。 賀茂別雷社 神宮寺 嵯峨天皇御宇弘仁年中、依神託、御建 立。開基弘法大師也。神官広友県主 于時蒙霊夢之由、達 天聴依勅命 奉遷座と云々。 勅筆之縁起奉納 有之。 右、淳和天皇勅筆之縁起有之処々、 文明一乱之節、令紛失。達 天聴故後 西院天皇勅筆之縁起御奉納 畢御本尊十一面観音神光院十一面観音像の調査にあたっては神光院ご住職・徳田智圓氏に、また乗願院の調査時にはご住職・柴田良明氏とご母堂に大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。〔図3〕は、櫻井敏雄「賀茂社の建築」掲載の［図1］（『日本の古社 賀茂社』淡交社、2004年、104頁）を複写・転載させていただきました。― 555 ―
元のページ ../index.html#566