─Chypre entre Byzance et l’Occident, IVe-XVIe siècle(ルーヴル美術館)─Les livres de Notre-Dame, XIe-XVIIIe siècle(マザリーヌ図書館)─Art du jeu, jeu dans l’art −De Babylone à l’Occident médiéval−(クリュニー美術館)─L’âge d’or des cartes marines −Quand l’Europe découvrait le monde− (フランス国立図書館)4.展覧会訪問した展覧会は以下のとおり。4世紀にキリスト教化されてから1571年にトルコに征服されるまで、様々な文化の影響を受けたキプロス島独自の芸術作品を一望出来る展覧会。聖画像・彩飾写本・彫刻・建築装飾・金銀細工品・陶器など150点にも及ぶ作品は時代ごとに区分して展示され、かの地の多彩な文化の受容過程を明瞭に把握せしめるものとなっていた。同美術館では、昨秋にオープンしたイスラム美術部門の新展示室を占める膨大なコレクションも鑑賞。パリのノートルダム大聖堂建立850周年を記念するイヴェントの一環として(注7)、大聖堂の様々な側面を物語る中世からフランス革命までの写本が展示されていた。古代地中海世界から西洋中世に至るまでの「遊具史」を辿らしめる、パリでは初めての展覧会。さいころ遊びや盤上の様々な遊具、そして写本に描かれたそれらの図像によって「遊具」の多様性・多面性が明瞭に提示されていた。美術館入場口には大きなチェスが備え付けられ、多くの関連イヴェントが開催されるなど「遊具」にたいする様々なアプローチが試みられていたためか、展覧会来場者の年齢層に幅の広さが認められた(注8)。フランス国立図書館が所蔵する世界最大の海図コレクションを鑑賞出来る貴重な展覧会。14世紀から18世紀までの羊皮紙に彩飾された80の海図は、 他機関から貸し出された航海関連の様々なものと共に展示され、航海術や地理学の発展経緯、更には各時代の異文化に対する知識や、その認識のありようを把握せしめる構成となっていた。展覧会への関心の高さは、入場口前に作られた長蛇の列に充分窺えた(注9)。 ― 585 ―
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