鹿島美術研究 年報第30号別冊(2013)
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②国際美術史学会(CIHA)鳴門コロキウム 2013Between East and West: Reproductions in Art期   間:2013年1月15日〜18日(4日間)場   所:鳴門、大塚国際美術館報 告 者:CIHA鳴門コロキウム実行委員会 事務局長 東京大学大学院 総合文化研究科 教授 国際美術史学会(Comité international d’histoire de l’art, 略称CIHA)のコロキウム(研究集会)、Between East and West: Reproductions in Art(洋の東西の美術における複製)が、CIHA国内委員会、大塚国際美術館、日本美術史学会の主催で、2013年1月15日〜18日に徳島県鳴門市の大塚国際美術館で開催された。協賛として大塚美術財団とともに鹿島美術財団にも加わっていただき、実現にこぎつけることができた。心より感謝申し上げたい。なお、本コロキウムは東京大学大学院人文社会系研究科にも学術協力を仰いでいる。国際美術史学会は1930年に設立された組織で、世界各国の美術史研究者が集う世界大会(4年に一度)と小規模のコロキウムを定期的に開催している。本来はヨーロッパと北米中心の学会組織であったが、最近は学問のグローバル化とともに、アジア、アフリカ、オセアニアなどの地域にも範囲を広げ、世界的な規模で美術史研究の振興を目指している。日本におけるコロキウム開催もその流れのなかで、国際美術史学会副会長の小佐野重利東京大学教授を中心に日本国内委員会が企画し、大塚国際美術館、美術史学会と合同で実行委員会を立ち上げ、CIHA事務局とも随時連絡を取りながら準備を進めていった。今回のコロキウムに際しCIHA事務局からは、ウルリヒ・グロスマン会長(ドイツ国立美術館)を始め、ティエリー・デュフレーヌ学術担当委員(パリ西大学)、ペーター・シュネーマン庶務財務担当委員(ベルン大学)など、中心メンバーが来日されている。1991年に初めて日本で開催された国際美術史学会の東京コロキウムは、Japan andEurope in Art History(美術史における日本とヨーロッパ)というテーマを掲げ、日本とヨーロッパの美術の総体的な比較を目指す内容であった。今回、22年ぶりに日本で行われたこの鳴門コロキウムは、二つの点で前者と異なっている。ひとつは、複製というテーマに絞り込んだこと、もうひとつは日本とヨーロッパから、日本・東アジアと西洋へと、比較の枠組みを拡大したことである。とりわけ、複製というテーマを取― 608 ― 三 浦  篤

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