注⑴ La Belle époque de Jules Chéret, de l’affiche au décor, cat. exp., sous la direction de Réjane Bargiele et ⑸ ゴッホの浮世絵収集については以下参照。Tsukasa Kodera and Willem van Gulik, Japanese prints: catalogue of the Van Gogh Museum's collection, Amsterdam, Van Gogh Museum / Wanders Publishers, 2006 (revised edition).⑹ ナビ派とジャポニスムの関係については以下参照。Ursula Perucchi-Petri, «Les Nabis et le Japonisme», cat. exp., Nabis 1880−1900; Bonnard Vuillard Maurice Denis Vallotton..., Zurich, Kunsthaus / Paris, Galeries nationales du Grand Palais, 1993−94; Ursula Perucchi-Petri, «Les Nabis et le Japon», Japonisme in Art, An International Symposium, edited by the society of the study of Japonisme, 2001.⑺ ボナールのポスターにおけるジャポニスムについては以下参照。David E. Gliem, «Japonisme and ⑻ ロートレックとジョワイヤンの関係については以下拙論参照。杉山菜穂子「トゥールーズ=ロートレックとモーリス・ジョワイヤン─引き継がれた友情の遺産─」、「トゥールーズ=ロートレック展」図録、三菱一号館美術館、2011年、pp. 154−157.⑼ Maurice Joyant, Henri de Toulouse-Lautrec, 1864−1901, Paris, Henri Floury, 1927, vol. 1, pp. 121−122. ⑽ ⑵ 美術のあらゆる分野に及ぶ日本美術の影響については、「ジャポニスム展:19世紀西洋美術へ⑶ 前掲書、pp. 286, 287; 「ロートレックと歌麿展」図録、日本浮世絵学会・毎日新聞社、1980年; 「ロートレックとシェレ展」図録、株式会社講談社、1985年(「ロートレックの日本コレクション」収録)他参照。⑷ 本調査においてはシェレ展監修者であるレジャーヌ・バルジェル氏に多大な協力を頂き、また― 116 ―たと言えるだろう。しかしながら、制約の中でも日本美術の新しさを摂取しようと試み、新たな造形表現の可能性を模索したシェレのジャポニスムは、次のロジェ=マルクスの1881年のシェレ展評で言い表されている。「素晴らしいのは、日本の芸術家たちだけが身につけている自由さと率直さを伴う即興によって作られた多くの作品が、適切さと目的の必然性を完璧に尊重した模範例となっている点である」(注36)。本調査は、ロートレックに先行して見られるシェレのジャポニスムの作例を見直し、シェレのポスターが、広告として果たすべき実用的役割と日本美術にならった自由闊達な表現とを両立させていることを改めて評価するための良い契機となった。今後この成果をロートレックのみならず19世紀末のポスターにおけるジャポニスム研究のさらなる発展に繋げて行きたい。Ségolène Le Men, Les Arts Decoratifs, Paris, 2010.Bonnard's Invention of the Modern Poster», Japan Studies Association Journal, 2008, pp. 17−38.Idem., p. 100.の日本の影響」パリ、グラン・パレ / 東京、国立西洋美術館、1988年参照。セゴレーヌ・ルメン氏からは重要な助言を頂いた。ここに感謝申し上げます。
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