鹿島美術研究 年報第31号別冊(2014)
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⒃ 深津行徳「唐代仏舎利荘厳と『舎利八分』図─『都管七箇国盒』(中華人民共和国西安市西安交通大学構内出土)の図像解釈のために─」(黛弘道編『古代国家の政治と外交』、吉川弘文館、2001年、222−241頁)。⒄ 中国では、『出三蔵記集』巻十三に登場する康僧会の舍利感得譚を始め、舍利の奇瑞に関する記述は枚挙にいとまがない。朝鮮半島においては、舍利に関する奇譚は決して多くは残らないが、王興寺址出土舍利具に刻まれた銘文に、舍利が二粒から三粒に増えたという記述がみえ、舍利の奇跡性に対する認識がやはり存在したことが分かる。古代大和については、『日本書紀』敏達13年(584)是歳条の司馬達等の舍利感得譚が有名である。⒅ 『出三蔵記集』巻十三(『大正』巻五五、96b頁)。⒆ 毛利光俊彦「古墳出土銅鋺の系譜」『考古学雑誌』64①、日本考古学会、1978年、1−27頁。⒇ ガラスの中国への伝来については、由水常雄「ガラスの東伝─舍利容器を中心として」(樋口■ 前掲注⑿、215c、218c頁。■ 前掲注⑿、218b頁。■ 統一新羅から高麗にかけての舍利信仰については、Sem Vermeersch “The Development of the Buddhist Relic Cult from Unified Silla to Early Koryo(”(Religion and Culture 18、The Institute of Religious Studies、2010年、117−139頁)を参照。■ 『無垢淨光経』(『大正』巻十九、719a頁)。■ 前掲注■。■ 前掲注⑾①、22頁。■ Robert L. Brown “Expected Miracles: The Unsurprising Miraculous Nature of Buddhist Images and Relics”Richard H. Davis編、Images, Miracles, and Authority in Asian Religious Traditions、Boulder: Westview Press、1998年、23−35頁。― 390 ―図版典拠本報告に用いた図版中、図3、4、6、7、8は報告者撮影。その他の図版の出典は以下の通りである。図1 河北省文化局文物工作隊「河北定県出土北魏石函」『考古』1966−5図2 『唐皇帝からの贈り物』新潟県立近代博物館、朝日新聞社企画局、2000年図5 法隆寺国宝保存委員会『法隆寺五重塔秘宝の調査』法隆寺、1954年図9 『仏舎利と宝珠:釈迦を慕う心』奈良国立博物館、読売新聞大阪本社、2001年隆康編『続シルクロードと仏教文化』、東洋哲学研究所、1980年、157−166頁)を参照。

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