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― 441 ―良時代8世紀、木造)をはじめとする一木造の彫像が多数出品された。絵画は禅宗に関するもののみ出品され、計120点の白隠や仙厓らの禅画や室町時代の禅宗絵画が出品された。本書にもそれらの図版が数多く掲載されている。5 寺院に関する書籍美術出版社が『日本の仏像』に続き出版した『日本の寺』シリーズのうち、⒃�「東大寺」(2冊)〔図5〕、⒄⒅「薬師寺」(2冊)、⒆「唐招提寺」、⒇「法隆寺」が保管されている。そのうち「唐招提寺」には表紙に、人物の顔を描いたデッサンが残されている。面長の顔立ちから推測するに、本書図版及び日本美術をもとに描いた模写とは考えにくい。ジャコメッティは、新聞紙やカフェのナプキンなど、思いついたとき、目の前にあるものの上に筆を走らせていることから、本デッサンも、本書を手にしていたときに、目にした人物をモデルとして描かれたとも考えられる。6 古典芸能公演パンフレット1957年のナシオン劇場での喜多実、観世喜之、山本正則、野村万之丞、野村万作らが出演した能楽公演のパンフレットをジャコメッティは2種類所蔵していた。ひとつは朝日新聞社が制作したもので、和紙をあしらった大変美しい作りの�Théâtre national du No de Tokioである。もうひとつは劇場が制作した�Semaine japonaise, Théâtre national du Nô de Tokyo, Première saison du Théâtre des Nations, mars-juillet 1957である。後年、喜多流職分の内田安信の下で、謡曲及び仕舞をたしなむことになる矢内原は、アトリエでポーズをする際にも能を話題に出しており、ナシオン劇場で行われた1957年の東京国立能楽堂公演に夫妻が足を運んだのも、矢内原の存在の影響の可能性が考えられる。能楽以外では、花柳流宗家家元2世花柳壽輔、花柳若葉(のち3世壽輔を襲名)及び江戸長唄十四世宗家家元杵屋六左衛門らが出演した日本舞踊のパリ公演パンフレット�L'Ensemble Hanayagi de Tokio. Troupe national de danse Kabuki, Programme du 26 au 30 mai 1958を所蔵していた。7 日本全般に関する書物�MOUSSET, Paul, Dʼun Japon secret, Bernard Grasset Editeur, 1957及び�MOUSSET, Paul, Japon, Librairie Hachette, 1958並びに�MARAINI, Fosco, LEVI, Angélique, Japon, Arthaud, 1959はいずれも日本文化に関する詳細な解説書である。�には数ページにわたって、秋の葉が押し花のように挟まっている。8 ジャコメッティに言及した日本の出版物これらはすべて矢内原伊作が執筆したジャコメッティに関する3冊の書物である。

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