― 602 ―⑻ 総会ではメネストレルのあり方や、その活用を促進する具体策などを討議した。報告書はIsabelle Draelants氏 (IRHT)とChristine Ducourtieux氏 (LAMOP)によって執筆され、後日メネストレルのメンバー全員に送信されている。⑼ 展示中であった当該写本を調査することが出来たのは、グラフィックアート部門を管轄するJõao Carvalho Dias氏のご厚意によるものである。同氏には関連の情報や資料も惜しみなく与えて頂いた。なお当該美術館は日本の漆器も所蔵しており、現在このカタログ作成に協力できる研究者を求めているとのこと。該当者は是非、氏にご連絡願いたい。⑽ 成果の一部は以下に報告している:「子宝祈願の遺産─ブルターニュ公継承問題をめぐって─」、『ステラ』第33号、2014年12月、159-174頁;「ブルターニュ時祷書にみる戦争と平和─百年戦争の表象から解く写本の制作年代─」国際叙事詩学会日本支部総会、2015年5月29日(於:成城大学)⑾ 訪問した美術館・博物館は次のとおり:国立タイル美術館(リスボン)、国立古美術館(リスボン)、マイヨール美術館(パリ)、ルーヴル美術館(パリ)、旧王宮博物館(ワルシャワ)、ワルシャワ旧市街遺産センター、ワルシャワ博物館。⑿ 全プログラムは次のサイトで参照可能:www.journeesdupatrimoine.culture.fr⒀ 例えば2013年9月から翌1月にかけてパリのアラブ世界研究所で開催されていた《Lumière de la sagesse─Écoles médiévales dʼOrient et dʼOccident》は、専門課程に入る前の学生に中世研究の「かたち」を見せるために企画された。博士課程の学生が見学ガイドを勤めたこともあり、大変な功を奏したと展覧会のコミッショナーであるEric Vallet氏(Université Paris I)にメネストレル研究集会の際に伺った。②「絵画複製写真をめぐる研究の動向と調査報告」期 間:2015年3月21日~2015年4月7日(17日間)出 張 国:フランス報 告 者:日本大学 非常勤講師 打 林 俊はじめに本研究の課題は、19世紀視覚文化における絵画複製写真の史的位置づけを探ることにある。本研究課題の進行状況について述べる前に、まずは絵画複製写真をめぐる研究にあたっての問題の所在を端的に述べておきたい。ごく単純に西洋美術における絵画複製の歴史を図式化すると、フランス革命以降、版画の中でもとりわけ特権的な技法とされたエングレーヴィングの生産の主導は、それまでのオランダからフランスへと移った。エングレーヴィングの主要な役割は絵画複製(複製版画)と肖像を二大潮流としてきたが、制作に卓越した技術力や大変な時間を要するゆえに、決して安価なものではなかった。そうした事情を背景に、19世紀前半には、この技法は国家的な庇護を要する自体にまで衰退してゆく。変わって台頭
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