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― 618 ―の件空車と学生がきっと近代日本に対する知識をある程度深めることができた、と思われます。また、両氏のこのようなスタンスはきっと中国の研究者に自分の近代に目を向ける際に共有されることになるに違いない、と私は思われます。今回のふたつの講演会は高度な専門性を持つが故に大成功したと思いますが、日本研究と中国研究が対話する重要な機会でもあることを実感しました。2013年度国際交流援助助成⑴ 海外派遣  「南蛮蒔絵技法についてと関連文献の調査研究」期   間:2014年4月11日~6月25日(うち32日間)      2015年2月17日~3月14日(うち14日間)出 張 国:イタリア、スペイン報 告 者:ボローニャ大学 極東美術研究所 学術評議員、     イヴレア市立ガルダ美術館 名誉学芸員  小 山 真由美過去の研究を一著「南蛮漆器考」にまとめるにあたり、「関連文献」と「蒔絵技法」調査を加えたいと考え、ヨーロッパ調査と国内調査を検討していたが、諸般の事情により国内調査の実施については延期したため、国内調査に予定していた日程をヨーロッパ調査に加えて全力を集中した。当調査の対象は、「作品、即ち、南蛮漆器遺品」と「時代の関連文献」で、ともに重要な文化財であり、必ずしも研究者の希望通り、資料閲覧が調査先に受け入れられるとは限らないことは自身の体験でも熟知する。以上を考慮して、質の高い資料数が揃い、受け入れも好意的である調査先が複数所在するローマとセビリアを調査地に絞った。ローマでは長年の調査で知己でもある、ヴァチカン図書館手稿部長パオロ・ヴィアン氏、同文書館ルチャーノ・チプリアーニ閲覧室長にご理解を頂き、特別許可で余裕ある閲覧時間を頂け、また、初めての調査先であるセビリアでの受け入れに対して、ローマ・イエズス会フランシスコ・メディーナ神父の先導でセビリア・イエズス会神父の方々のリレー、バトンタッチなどのお陰で、通常は面会の難しいサンタ・マリア・デ・へスス女子修道院長と鉄格子越しに面会し面談、秘蔵品で現在も聖具用家具として使用されている南蛮漆器を見せてもらうなど、大きな成果を得ることがで

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