注⑴田邉三郎助「細川家の能面について」『永青文庫所蔵資料調査報告書 第二集─能面と能道具─』熊本県立美術館、平成26年。田邉氏は、永青文庫所蔵能面に加え、宇佐神宮、松井文庫、北岡神社伝来の能面を取り上げ、細川家の能面についての概観を試みられている。〔付記〕本調査に際し、公益財団法人永青文庫の皆様に多くのご協力とご教示を賜りました。ここに記して謝意を表します。収集や管理の実態について、今後、詳細に検証していく必要があるだろう。⑵表2は、平成23年度から25年度にかけて、文化庁の国庫補助事業として行った調査のデータ及び報告書(前掲『永青文庫所蔵資料調査報告書 第二集─能面と能道具─』)をもとに作成した。⑶近世に成立した職業的な面打の家系。室町時代の面打・三光坊から出た越前出目家、大野出目家、近江井関家の3家を主流とする。近世において増大した能面需要に応え、主に大名家などからの注文に応じて能面を制作した。⑷細川家伝来の能面のうち、「延命冠者」の面について、本稿では能面に分類しているが、近代細川家においては狂言面として分類されていた。また、その分類に基づくと、朱漆書のある能面は54点、狂言面は30点となる。⑸永青文庫の所蔵品台帳による。⑹ただし、能面・般若(表1-18)は、箱書から明治23年に細川家に入ったことが確認できるほか、中村直彦(1877~1945)、下村清時(1866~1922)作の能面5点も、明治時代以降の入手であることが確認できる。⑺この面箪笥には、正面に貼紙墨書で「御前通御能面」とあり、同箪笥の表と引出にあらわされた龍の丸文の意匠も、「御前通御道具帳」の記述と一致する。⑻植野かおり「立花家伝来の美術と御花収蔵品」『柳川文化資料集成第三集─二 柳川の美術Ⅱ』柳川市、平成19年、2頁。― 340 ―
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