注⑴John Richardson, A Life of Picasso vol. II: 1907-1917 the Painter of Modern Life, New York: Alfred A.⑵William Rubin, “From Narrative to ʻIconicʼ in Picasso: The Buried Allegory in Bread and Fruitdish on aTable and Role of Les Demoiselles dʼAvignon”, The Art Bulletin, New York: College Art Association, Vol. 65, No. 4 (Dec., 1983), pp. 615-649.⑶Emily Braun, “Picassoʼs female anatomies”, Cubism: the Leonard A. Lauder Collection (Exh. Cat.), New⑽Albert Gleizes, Jean Metzinger, Du Cubisme, Paris: Eugène Figuière, 1912.⑾Mark Antiff, Particia Leighten, Cubism and Culture, New York: Thames and Hudson, 2001, pp. 172-177.⑿John Richardson, op. cit., p. 375.⒀Ibid. p. 387.⒁パラウ・イ・ファブレはこの作品にピカソによる哀悼の意を読み取っている。Josep Palau i⑹John Richardson, op. cit., p. 288.⑺Emily Braun, op. cit., p. 147.⑻個人蔵である《肘掛椅子に座るシュミーズの女》を実見することができたのは、メトロポリタン美術館の主任学芸員であり、レナード・ローダー・リサーチセンターのチーフであるレベッカ・ラビノー氏と、エミリー・ブラン氏のご協力による。ここに記して謝意を表したい。⑷『ピカソ:5つのテーマ』(展覧会カタログ)、箱根:ポーラ美術館、2006年、p. 27.⑸キュビスムにおける記号論的な展開については以下を参照のこと。Yve-Alain Bois, “TheSemioligy of Cubism, Picasso and Braque: A Symposium, New York: the Museum of Modern Art, pp.169-208.⑼サロン・キュビスムの動向については以下を参照のこと。David Cottington, Cubism and its天国へと旅立ちこの世に存在していないことを示していることを物語っているようだ。ピカソは、総合的キュビスムの用法を、単に造形的な操作のみではなく、恋人を喪失した悲しみと、彼女の招魂のために用いているのである。以上、ピカソと恋人との関係が最も親密な関係を築いていた1913年と、彼女がこの世を去った1915年末に制作された作品には、キュビスムの初期段階に失われた物語性や寓意性が再び現れていることを指摘した。ピカソは、1912年にはじまった総合的キュビスムが取り入れた記号論的な表現を、愛するエヴァの肖像に活かし、その死に際しても、冷徹に制作に打ち込んでいたのではなく、《アルルカン》における道化師の不気味な笑みの裏に隠した哀悼の気持ちを、《肘掛け椅子に座る女と鳩》に表現していたのではないだろうか。Knopf, 1996, p. 387.York: the Metropolitan Museum of Art, 2014, pp. 149-154.Histories, New York: Manchester University Press, 2004, pp. 54-73.Fabre, Picasso Cubism: 1907-1917, Barcelona: Ediciones Polígrafa, 1990, p. 451.― 351 ―
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